総裁ご挨拶

株式会社国際協力銀行(JBIC)に対する皆さまの日頃のご理解とご支援に心から感謝申し上げます。

世界経済の動きを見ると、アメリカの金融政策正常化の影響、中国を始めとするアジア新興国等の経済の先行き、原油価格等の下落の影響等、経済成長に対する下方リスクが依然として存在します。

日本を取り巻く国際的な環境も、大きく変化しつつあります。資源分野では、国内のほぼ全ての原子力発電所が停止する中、日本全体としてエネルギー種(源)を多様化するとともに、海外から輸入するエネルギーに関し、調達先国の多角化、上流権益の獲得、資源国との関係強化および調達コストの低減等の取組等が国民生活にも直結する非常に重要な課題となっています。また、日本の産業界においても、成長市場の獲得を目指しバリューチェーンのあらゆる面でのグローバル化に取り組んでいますが、台頭する新興国企業や先進国企業との競争が激化しており、個別の製品や要素技術だけでなく、経営ノウハウや運営・維持管理まで含めた「システム」としての海外展開も重要となっています。特にインフラ事業は、投資回収に長い期間を要し、事業リスクも大きく、現地政府の影響力も強いことから、官民一体となった取組が求められています。さらに、地球環境保全と経済発展の両立は、世界共通の課題として認識されており、個別のプロジェクトにおける環境・社会配慮のみならず、日本の高度な環境技術を活用した再生可能エネルギー等の案件をはじめとして、環境の保全・改善に繋がるようなプロジェクトの実施も期待されています。

このような国内外の環境の変化も踏まえ、2016年5月11日に株式会社国際協力銀行法の改正が行われました。本法律は、海外における社会資本の整備に関する事業に関して更なるリスクテイクを可能とするほか、支援手法を多様化することを通じて、日本企業の海外展開をより一層後押しするためのJBICの機能強化を目的としたものです。

JBICは、日本政府や産業界からの要請や期待を踏まえつつ、日本の政策金融機関として、日本企業の海外事業展開の促進をより一層支援していく所存です。

 

株式会社国際協力銀行
代表取締役総裁 近藤 章