設立時記者会見(2012年4月2日)

奥田でございます。本日は、ご多忙中のところ、多数の皆様にお集まり頂き、誠に有難うございます。この度、新生JBICの総裁に就任致しました奥田でございます。どうぞ宜しくお願いします。

新JBIC発足の背景

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最初に新JBICの発足の背景を申し上げますが、ご案内のとおり、JBICはこれまで、日本公庫の国際部門として業務を行って参りました。しかしながら、経済のグローバル化の進展に伴い、また国際的な競争も激しさを増す中、政府の新成長戦略等にもあるように、パッケージ型のインフラの海外展開支援等、JBICには新たな役割が期待されるようになりました。
こうした中で、昨年新たな法律が制定され、JBICの機能強化と共に、より機動的な対応ができるよう、組織についても日本公庫から独立しまして、新たに日本政府100%出資の政策金融機関として設立されることになりました。そういう次第でございます。

新JBICを取り巻く環境と期待される役割

JBICを取り巻く環境と期待される役割というものについてお話したいと思います。今、日本やJBICを取り巻く国際的な環境はダイナミックに変化しつつあります。
私も長らく「ものづくり」の世界に身を置いて参りまして、もはや単体の製品の「高品質」或いは「高性能」といったキーワードだけでは、世界市場で戦っていくのが難しい、という状況になりつつあります。製造業においても、また世界的に需要が拡大しつつあるインフラ分野においても、従来のような先進国企業間の競争という図式は壊れまして、台頭する新興国企業も交え、世界中のあらゆる所で競争が激化しています。また、円高は、我が国企業、特に輸出産業にとっては大きな負担となっていますが、一方で海外企業のM&Aや資源権益の獲得など、円高のメリットの活用といったことも大きな課題となっています。
世界人口の増加、新興国の成長を背景にしまして、資源獲得競争も激しさを益々増しています。エネルギーや鉱物などの天然資源に乏しい日本にとっては、資源の安定的な確保は国民生活にも直結する重要な課題となっております。中でも、東日本大震災を契機として、電力の安定供給確保への懸念も高まる中、天然ガスをはじめとするエネルギー資源の安定調達の確保には、大きな期待が寄せられています。
一方、先進国、途上国を問わず、地球環境保全と経済発展の両立を図ることが世界中で共通の課題として認識される中、個別のプロジェクトにおける環境・社会面での配慮は勿論ですが、地球温暖化対策をはじめ、環境の保全・改善に繋がるようなプロジェクト、この実施が世界的に期待されております。
さらに、世界経済の一体化が進む中、リーマンショックやギリシャに端を発する欧州金融システムの不安定化など、世界的な金融危機が実態経済に与えるインパクトは、十数年前のアジア通貨危機などとはとても比較できない、大きなものとなっています。
このように、様々な形でグローバルな環境変化が起こりつつある中、私どもJBICは、日本の政策金融機関として、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、お配りしました資料(2)にございますが、4つの分野の業務を通じて、日本及び国際経済社会の健全な発展に協力をして参りたいと、そのように思っております。

企業理念とコーポレートスローガン

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次に企業理念とコーポレートスローガンでございますが、この度の新JBICの発足にあたり、全職員へのアンケートも行った上で、新たに「企業理念」、「コーポレートスローガン」というものを定めました。
「企業理念」については、お手許の資料の(3)にございますが、「国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展(ひら)きます。」とし、併せて「現場主義」「顧客本位」「未来志向」の3つを掲げました。
「現場主義」では、海外プロジェクトの現場に密着し、早い段階から能動的な関与を行うことで、先駆的な付加価値を創造すること。「顧客本位」では、お客様の立場になって考え、その声を政策形成につなげることで、独自のソリューションを提供することでございます。「未来志向」では、安心で豊かな未来を見据え、高い専門性を発揮して、日本と世界の持続的な発展に貢献すること、を意味しています。
また、「コーポレートスローガン」については、和英を組み合わせる形で、「日本の力を世界のために。Supporting Your Global Challenges」とこのように定めました。
今回のJBICの分離・独立が決定された背景には、新JBICが日本の力を世界に発信し、世界に貢献することへの大きな期待があると、このように考えております。このことをイメージすると同時に、和文は、新JBICの企業理念である「顧客本位」や「未来志向」を意識して表現致しました。また、英文についても、「顧客本位」を強く体現した表現としました。
新JBICの中心的な顧客・クライアントは、世界展開に取り組む日本企業ですが、日本企業や新JBICと協力して意義のあるプロジェクトの実現を目指す海外の企業・政府・国際機関等のためにも、私たちは大きな役割を果たさなければならないと考えております。新JBICは、顧客・クライアント・関係者が世界中で展開する挑戦を力強く後押しするパートナーとなる。こういうメッセージを込めました。

役員

役員でございますが、昨日の取締役会で決定した役員につきましては、お手許の資料の(4)にありますが、代表取締役総裁が奥田碩、代表取締役副総裁が渡辺博史、代表取締役専務取締役が星文雄、取締役として中西孝平、社外取締役として近藤章、常勤監査役として井本 裕、監査役、西尾進路、監査役、五十嵐 達朗の以上8名でございます。

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後でご質問があると思いますが、新総裁としての抱負を述べたいと思います。私は、1955年にトヨタに入社しまして、それ以来、海外赴任も含め、長らく自動車業界に身を置きまして、95年からは社長、会長を務めあげて、企業経営にも直接携わってきた訳です。社長を退いた後も、経団連をはじめ財界活動にも関わると共に、経済財政諮問会議、或いはその他多くの各種審議会、有識者会議の委員なども務め、国内外の様々な分野の方々とお付き合いさせて頂いて参りました。近年、経済のグローバル化が従来以上のスピードで進みまして、新興国も急速な成長を遂げる中で、中小企業から大企業まで、多くの企業が、海外の成長を取り込むべく海外事業展開を進めております。
また、世界の人口増加や新興国を含む経済活動の拡大を背景に、世界的に資源需要が拡大しつつある中で、資源の安定的な確保が、国民が安心して暮らしていくためには極めて重要な課題です。
更に地球環境保全など、日本のみならず、これは国際社会全体にとっての共通の課題にも直面しています。

こうした中で、JBICは、日本の政策金融機関として、今後も民業補完の徹底、或いは財務の健全性確保にも留意しながら、効率的な仕事に努めまして、日本と国際経済社会の健全な発展に貢献していく必要があると考えております。役職員一同、一丸となって、皆様方のご期待に沿いたいと思っていますので、宜しくご協力をお願い致します。
そのためにも、私のこれまでの経験が、少しでもお役に立てるようであればと考え、今回の重責をお引き受けした次第でございます。

配布資料