定例記者会見(2012年7月13日)

株式会社国際協力銀行 総裁記者会見

  • 日時)2012年7月13日 14:00~14:40
  • 場所)国際協力銀行 9階講堂
  • 説明者)総裁 奥田 碩

総裁の奥田でございます。本日はどうぞ宜しくお願いします。
本日は、ご多忙中、多数の皆様にお集まり頂きまして、誠に有難うございます。本日はお手許の資料Aに沿って、最近のJBICの取り組みについてご説明をさせて頂きます。

中期経営計画の基本方針、基本戦略

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最初に資料Aのページ2からページ3でございますが、まずはじめに中期経営計画についてご説明致します。既に今週7月11日にホームページ上で対外公表いたしました平成24-26年度までの中期経営計画及び平成24年度の事業運営計画についてお話を致します。
JBICの中期経営計画は、我が国の政策に沿って効率的かつ成果重視の事業運営を推進すること、及びアカウンタビリティを適切に果たすことを目的として、当行として中期的に取り組むべき経営課題を明確に致しまして、当行として重点的に取り組むべき戦略とこれらに対する課題、所謂アクションプランですが、これを設定するものであります。資料Aの2ページ目をご覧頂きたいと存じます。
上のところでございますが、重要資源の開発・取得の促進、又、我が国産業の国際競争力の維持・向上、地球環境保全に係る海外事業の促進、国際金融秩序の混乱防止・被害への対処といったJBICに与えられたミッション、及び中段にございますJBICの企業理念を踏まえまして、中期経営計画の基本方針として、下段のところにございます3つを定めました。
まず一つ目の方針でございますが、案件の形成段階に深く関与しつつ、案件のフィージビリティを高めるようなスキームの提案など、独自の付加価値をもって戦略的に案件を実現して、日本と世界の経済成長に貢献する。二つ目が、我が国企業のニーズを的確に汲み取りまして、政策実現に向けて、「機動性」、「専門性」、それから「対外交渉力」の強化を拡大し、そして三つ目が、案件の高リスク化、長期化、大型化、これに対応したリスク管理の高度化及び財務基盤の維持・強化を実現する、でございます。
次に資料Aの3ページ目をご覧頂きたいと思います。只今、申し上げた基本方針の下、左下にある分野別の業務戦略、6つの戦略と、右下の基本戦略、8つの戦略を設定致しました。
次に平成24年度の事業運営計画についてでございますが、こちらは資料Bに資料を付けておりますので、詳細は後ほどご覧頂ければと存じます。今申し上げました中期経営計画において設定された課題、所謂アクションプランに対しまして、本年度中に取り組むべき具体的な目標を設定しております。
例えば、パッケージ型インフラ海外展開支援案件の本年度の当行承諾目標件数としては、昨年度実績の20件に対しまして、本年度は35件としております。平成24年度の予算上、貸付等の実行金額は2兆2,980億円を計上しておるところでございますが、この事業運営計画も念頭に置きながら、今後も多様な資金ニーズに的確に対応して参りたいと考えております。
なお、これらの計画の達成度合いは、中期計画は3年毎、毎年の事業運営計画については1年毎に、夫々年度末、3月でございますが、3月末時点で締めた結果を社外取締役及び外部委員により構成される経営諮問・評価委員会による評価を受けて、対外公表する予定でございます。

円高対応緊急ファシリティの実施状況

次にページの4ページから5ページでございますが、「円高対応緊急ファシリティ」 の実施状況でございます。
(1)に記載したとおり、この円高対応緊急ファシリティは、急激な円高の進行に対応して、日本企業による海外企業の買収や、或いは資源・エネルギーの確保などを促進するべく、昨年の8月に日本政府により発表されまして、翌9月から運用を開始しております。
(2)に昨年9月の運用開始からの累計承諾実績を記載致しました。これまでに資源関連が8件、金額では28.9億ドル、海外M&A関連が、本邦金融機関向けM&Aクレジットライン経由が5件、金額で約24.9億米ドル、JBICからの直接融資分が1件、金額約34.9億ドルとなっております。合計では14件、総額は88.6億米ドルということでございます。
本ファシリティに基づく具体的な支援案件の一覧は、資料Aの5ページ目をご覧頂きたいと思います。資源関連では、日本企業が関与する豪州、或いはパプアニューギニアでのLNG関連案件や、豪州、コロンビア、カナダでの石炭関連案件、チリでの銅や、或いは又、カナダでのアルミ精錬関連の案件も支援致しました。また、M&A関連では、携帯電話事業や電力メーター事業、保険分野や航空機リース事業など、日本企業による様々な分野での外国企業の買収を支援して参りました。
足許、依然として円高基調が続いておりますが、資源、M&A分野共に複数の新規借入期待が寄せられておりますので、今後も円高メリットの最大限の活用等を図るべく、日本企業による海外での資源確保、或いはM&A等を積極的に支援して参りたいと、そのように思っております。

エネルギー・資源確保への取り組み

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次に、資料Aのページ6でございますが、3番のエネルギー・資源確保への取り組みでございます。
国民生活・経済活動を担う資源の安定調達が重要な課題として認識される中で、JBICは、日本企業による海外でのエネルギー資源や、或いは鉱物資源等の開発、又は権益取得、或いは輸入に必要な資金を支援している他、資源分野における日本企業のビジネス機会創出等に向けた取り組みに力を入れております。日本企業による資源権益の取得や開発への支援については(1)でご紹介しておりますが、直近では、大阪ガスによる豪州のLNG事業の開発資金、それから丸紅によるカナダでの炭鉱権益の取得、住友金属鉱山や住友商事によるチリでの銅鉱山の開発などを支援しております。
また、(2)にございますが、JFEスチールや新日本製鉄はじめ多くの日本の企業がチリの銅公社から高級鋼材の製造に不可欠なレアメタルであるモリブデン酸化物の輸入に必要な資金を融資しております。
この他、資源分野においては、モンゴル政府との間で資源開発及び周辺インフラ整備、カザフスタンの国営企業との間でもレアアース、或いはレアメタルの開発等に係る協力関係強化を企図した覚書を締結致しました。当行としては、今後両国における日本企業の事業機会創出やビジネスの促進に努めて参る所存でございます。

海外インフラ事業等への取り組み

次に資料Aのページの7でございますが、海外インフラ事業等への取り組みでございます。
我が国産業の国際競争力の維持・向上を図るために、パッケージ型インフラ海外展開をはじめとする海外案件に認められる民間企業の取り組みをより有効に支援することが求められます。その中で、日本企業による機器の輸出、或いは日本企業が出資参画する海外事業を支援しております。
直近では、(1)にございますように、コロンビアの水力発電事業、或いはモロッコでの石炭火力発電事業などに対する日本からの機器輸出への支援を行なっております。又、(2)にありますように、三菱商事が実施する北米や欧州諸国等における大型インフラ案件を投資対象とするファンドがございますが、このファンドへの出資も行ないました。更に(3)にありますように、ブラジル沖の海底油ガス田開発のために、三井海洋開発などの日本企業が行う浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備、FPSOと言ってますが、この傭船事業への融資なども行った他、国内造船所で建造される船舶の輸出への支援も引き続き行っています。
この他、英国貿易投資総省との間では、日本からの対英投資促進に関わる相互協力の覚書を締結致しました。当行としては、今後英国政府と連携しながら、日本企業による英国でのインフラ整備事業等への参画を支援して参る所存でございます。

地球環境保全等への取り組み

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次にページの8でございますが、地球環境保全等への取り組みをご説明致します。
近年、先進国、途上国を問わず、環境保全と経済発展の両立を図ることが共通の課題として認識される中で、JBICは国際経済社会の持続可能な発展に向けて、環境保全・改善プロジェクト等への支援に取組んでおります。直近では、(1)にありますとおり、再生可能エネルギー関連機器の日本からの輸出を支援するために、インドの地場銀行でありますICICI Bank向けにクレジットラインを設定致しました。

また、水関連につきましては、(2)にありますとおり、大阪の中堅・中小企業のナガオカによる水関連プラント機器の中国での製造・販売事業、またシンガポールのハイフラックス・グループが行なっております同国最大規模の海水淡水化プロジェクトに関しまして、東レ製の逆浸透膜エレメント及び酉島製作所製の高圧ポンプの輸出に必要な資金を融資しております。

中堅・中小企業の海外事業展開への取り組み

次に中堅・中小企業の海外事業展開への取り組みでございますが、これはページ9に書いてございます。
資料Aの9ページ目でございますが、経済のグローバル化の進展に伴いまして、海外市場の成長を取り込むために海外事業展開に積極的に取り組んでおります中堅或いは中小企業が増える中で、JBICはこれら企業に対しまして、融資等の資金調達面に加えて、海外投資関連・環境情報の提供や、或いは各種セミナーの開催等、情報面からの支援を行なっております。
まず(1)にありますとおり、本年の4月の新JBIC発足に合わせまして、本店と大阪の西日本オフィス夫々に中堅・中小企業向け支援の専担ユニットを設置しており、個別の融資や各種情報提供等の支援体制を強化しております。6月には西日本オフィスにおきまして、西日本所在の中堅・中小企業の取引先にお集まり頂きまして、海外事業展開に関し意見交換を行なう「中堅・中小企業懇談会」を開催しております。
また、こうした中堅・中小企業の海外事業展開支援にあたりましては、近年、タイやインドネシアなど途上国の地場金融機関や、或いは日本の地方銀行などとの連携も強化しております。途上国地場金融機関との連携でございますが、(2)に書いてありますとおり、昨年、タイでの洪水被害を被った日系現地法人の復旧及び事業活動を支援するために、タイに進出しております中堅・中小企業や、或いはこれら企業とサプライチェーンを構成する地場企業を対象に、タイのカシコン銀行向けにツーステップローンを供与しています。
また、日本の地方銀行との連携も進めておりまして、直近では(3)にございますように、福岡銀行との協調融資により、北九州市の中堅・中小企業の中国進出に必要な資金を融資した他、7月にはタイのバンコクで、地銀の現地駐在員等と現地ベースでの意見交換会の開催なども行なっております。

その他、昨年5月に公布・施行されました株式会社国際協力銀行法等による機能充実に基づく支援実績や、或いは近年の主な資源関連案件やインフラ案件への支援状況については、参考資料を付けておりますので、それをご覧頂ければと思います。

私からの説明は以上でございます。