JBICインフラ開発セミナー共同記者会見(2012年10月9日)

JBICインフラ開発セミナー共同記者会見

  • 日時)2012年10月9日 13:00~13:35
  • 場所)銀行倶楽部 4階 中ホール
  • 説明者)総裁 奥田 碩

冒頭挨拶

写真

本日はお忙しい中、多くの皆様にお越し頂きましてありがとうございます。JBIC総裁の奥田でございます。
1964年以来48年ぶりに東京で開催されるIMF世銀総会の機会を捉えて、先進国のみならず新興国でも注目を集めている官民連携(PPP=Public Private Partnership)を通じたインフラ開発の在り方について、基調講演者としてご参加頂くスリ専務理事をはじめ、国際機関、各国政府、民間事業会社及び民間銀行等から専門家にお集まり頂いて意見交換する場を設けることができ、大変喜ばしく思っています。
本セミナーを後援頂いた世界銀行、日本財務省、全国銀行協会の関係者に感謝致しております。

JBICインフラ開発セミナー骨子

本セミナーの狙いは、新興国を中心にインフラ整備への需要が拡大しつつある中、こうした需要に適切に応えていくために官民でどのような連携・役割分担を行っていくべきなのか、という点について各セクターの専門家の意見を通じて方向性を打ち出すことでございます。
第1セッションでは、アジアにおける今後のインフラ開発の在り方について議論します。今後、インフラ開発を長期に亘って着実かつ安定的に進めていくためには、プロジェクト期間全体のコスト分析や環境・災害対策などの「持続可能なインフラ開発」の視点が欠かせないものと考えられます。このような視点を十分に踏まえた上で、法制度環境、政府のコミットメント、組織・人材、資金調達等の諸課題に適切に対応するインフラ開発の制度・枠組みをアジアにおいて如何に構築していくべきか、法制度・ルール等の策定から入札実施方法までPPPの具体的フェーズごとに検討します。世界銀行等の国際機関のノウハウも活用しつつ、アジアにおけるこれまでのインフラ開発実績を踏まえ、適切な官民連携の事例をPPPモデルケースとして域内で標準化していく重要性を提示できればと思います。
第2セッションでは、PPPベースのインフラ・プロジェクトでのファイナンス組成に焦点を当てたいと思います。直近のマーケット状況を踏まえつつ、長期・巨額の資金が必要となるインフラ・プロジェクトに対するファイナンスの確保に向けた民間資金動員手法の多様化について具体的に議論を致します。その上で、PPPベースのインフラ・プロジェクト向けに民間資金の円滑な動員を図るべく、明確な政府サポートなどを通じた官民での適切なリスク分担の実現によりプロジェクトのバンカビリティを高めるための取り組み例を共有します。

インフラ開発における世界銀行との協働

写真

本セミナーのテーマでもある持続可能なインフラ開発の重要性については世界銀行との間で認識を共有していると理解致しております。例えば、世界銀行はPPPベースのインフラ開発を成功させる法制度や投資環境等のClimate、ホスト国政府によるCommitment、公的部門のCapacity、プロジェクト実施のためのCapitalという「4つのC」が重要とされていますが、世界中で数々のPPPベースのインフラ・プロジェクトを支援しているJBICも、PPPプロジェクトを着実に進めていくためには、PublicとPrivateのほかに、サービスの受益者であるPeople及び民間投資家や金融機関といったProviders of Financeを加えた「4つのP」の間での長期的かつ建設的なPartnership、いわば「5つのP」の観点が必要だと考えておりまして、世界銀行とスタンスは同じと考えています。
また、アジアを中心とする新興国にて長期的な視点から持続可能なインフラ開発を進めていく上で、(1)PPPプロジェクトの形成・実施(2)長期・巨額の民間資金を動員するための有効な資金調達手段の確保、の2点における適切な官民連携・役割分担が課題である点でも共通認識を持っています。
かかる課題への対応として致しまして、新興国における適切な官民連携のベストプラクティスとなるようなPPPモデルの標準化やPPPベースのインフラ開発推進のための民間投資を促す適切な案件ストラクチャー構築等に向けたフレームワーク作りを支援していくことが肝要と考えており、JBICとしても、PPPベースのインフラ開発案件で豊富な実績を有する世界銀行と協働していきたいと考えています。

インフラ開発におけるJBICの今後の取り組み

写真

最後に、海外でのインフラ開発に対するJBICとしての今後の取り組みの方向性につき、簡単に申し述べます。
海外のインフラ需要を取り込むべく海外展開を進める本邦企業に対しては、「日本再生戦略(平成24年7月31日閣議決定)」等の政府施策を踏まえ、他の政府関係機関ともしっかり連携の上、現地通貨建てファイナンス、インフラ関連M&A向け融資等といった金融メニューの充実化を通じて支援体制を強化していきたいと考えております。また、プロジェクトのホスト国に対してはPPPベースのインフラ開発を進めるための制度・仕組み作りに対し、JBICとしてこれまで培ってきたノウハウを活用しながら、積極的に支援していきたいと考えています。

  • 共同記者会見時の配布資料(セミナーの概要)
    和文英文