アジアMTNプログラムとアジア資本市場法規制等市場インフラに関する国際フォーラム (2009年11月28日、於東京)

国際金融社会への貢献
【写真】  早稲田大学 犬飼教授

2009年11月28日、国際協力銀行(JBIC)は早稲田大学、アジア資本市場協議会と共に、早稲田大学(東京都新宿区)にて「アジアMTN(ミディアム・ターム・ノート)プログラムとアジア資本市場法規制等市場インフラに関する国際フォーラム」を開催致しました。

アジア版MTNプログラムは、2007年5月のASEAN+3財務大臣会議共同声明において、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)を更に推進していくために新たな検討項目として取り上げられたものです。このようなABMIの動きを受けて、JBICは、早稲田大学に「アジア版MTNプログラムの実行可能性に関する調査」を委託し、その調査結果およびその後の早稲田大学の独自の調査結果を、広く資本市場関係者・研究者に公表するために、このフォーラムを開催しました。当日は約100名が参加し、本テーマへの関心の高さが伺えました。

当日は、 早稲田大学法学学術院の犬飼重仁教授及びJBICアジア大洋州ファイナンス部長の東伸行による開会挨拶から始まり、第一部「MTNとは何か」、第二部「アジアのMTN」、第三部「MTN市場のインフラ」、第四部「アジアMTN市場の活用を前提としたアジア域内プロ向証券市場創設への展望」の四部構成で計13の講演及びパネルディスカッションがなされました。

【写真】  JBIC東

第一部では、MTNの機能・性格・制度について、犬飼教授、年金積立金管理運用独立行政法人の玉木伸介氏、バークレイズ・キャピタル証券株式会社の鈴木裕彦氏、みずほ証券の安藤毅氏、日興コーディアル証券株式会社の木村裕氏から、MTNプログラムの基本概念、MTNのメリット・コスト及び課題、国内社債市場の課題、MTNプログラムの上場(リスティング)制度について講演を頂き、社債発行者にとって通常の債券発行よりもMTNプログラムに基づく債券発行の方が機動的な資金調達の観点で利便性が高いことが紹介されると共に、各国市場の上場(リスティング)に伴うディスクロージャーの内容につき説明がありました。

第二部では、犬飼教授、木村氏、野村證券の工藤克典氏から、アジアの中でMTNプログラムが発達しているシンガポールの状況、政府系金融機関のMTN利用状況、アジア域内の社債発行体によるMTN利用の現状と課題について講演を頂き、欧米企業に比べアジア企業の利用が低いこと、アジアの中では韓国の政府系金融機関の存在感が高いこと等につき説明がありました。

【写真】  フォーラムの様子

第三部では、長島・大野・常松法律事務所の簗瀬捨治弁護士、株式会社格付投資情報センター(R&I)の中塚富士雄氏から、MTNの法的側面の状況と課題、MTNと格付けの関連性について講演を頂き、MTN発行においては英国法が準拠法に用いられるケースが多いこと、最近のコンフォートレターには課題があること、MTNの利用者は必ずしも高格付の企業に限定されてはおらず、むしろ安定的な収益基盤を持つ企業(金融業者、電力会社等)が投資家にも受け入れられている現状につき説明がありました。

第四部では、アジア開発銀行のHyun Suk氏、犬飼教授から、ASEAN+3におけるアジア債権市場振興への取り組みについて講演を頂き、アジア債券市場の活性化のために、プロ向け債券市場創設に向けた検討が進められていること等について説明がありました。

その後、パネルディスカッション及び活発な質疑応答があり、千葉大学の青木浩子氏、経済産業省の浜辺哲也氏より総括を頂きました。

JBICは今後も引き続き、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の活動に積極的に取り組んでいくとともに、今回のような国内における情報提供も行っていきます。

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