「日本企業の新興国中間層ビジネス戦略を考える」シンポジウム を開催

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  会場の様子

国際協力銀行(JBIC)は2009年12月18日、東京大学ものづくり経営研究センター(MMRC)、財団法人海外投融資情報財団と共催で「日本企業の新興国中間層ビジネス戦略を考える」と題したシンポジウムを開催しました。本シンポジウムでは経済危機後の成長エンジンとして期待される新興国中間層市場において、成功を収める日本企業の事例を踏まえた成功要因分析や、中国および韓国企業の取り組みについての報告を行った後パネルディスカッションを行いました。

現地化が鍵

  写真左:JBIC 牛田、写真右:NRI 岩垂氏

最初に、JBICが毎年実施している「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」の結果から読み取れる日本企業にとっての新興国中間層市場の位置づけについて、「新興国中間層市場の可能性」と題しJBIC前国際調査室主任研究員牛田晋が講演を行いました。続いて株式会社野村総合研究所(NRI)の岩垂好彦氏より「日本企業の新興国中間層向けビジネス事例と成功要因」と題した講演が行われ、その中で、現地市場に深く根ざし、現地と互恵関係を結ぶことが成功企業に共通して見られるポイントであると紹介がありました。

  写真左:東京大学 李氏、写真右:横浜国立大学 曺氏

中国および韓国企業の取り組みについては、MMRCの李特任助教の講演「中国自動車メーカーのボリュームゾーン戦略」より、日本企業への示唆として顧客ニーズを十分に汲み取り、企画段階からアフターサービスまで一気通貫した設計思想を持つことが大切であると説明されました。また、横浜国立大学大学院曺氏からは、「韓国企業の新興国ビジネスの動向」と題して、サムスン電子のインドとブラジルにおける取り組みを紹介いただきました。

日本のノウハウを武器に新興国へ

  パネルディスカッションの様子

シンポジウムの後半では、東京大学の新宅純二郎准教授から「日本企業の新興国市場へ向けた戦略とその課題」についてご講演いただいた後、新宅准教授、横浜国立大学の曺斗燮教授、NRIの岩垂好彦氏、杉本洋氏およびJBICの牛田の5名にてパネルディスカッションを行いました。 

ディスカッションの中で、曺教授の「韓国企業は現地サプライヤーを利用した低価格製品生産のノウハウを持っているが、日本企業にはその経験が不足している」という指摘に対し、新宅准教授が「本社と現地法人の機能分担は難しいが、製品の目に見える部分は現地に任せ、基本設計や新規技術の導入面を本社が担う形が新興国市場攻略のひとつの答えになるのではないか」と述べました。また、強力なトップダウン型企業であり、かつ国内では寡占市場をおさえて利益を上げ、それを海外事業に投下できる韓国企業の強みは簡単に真似できないという意見がある中、NRIの杉本氏からは「日本製品は品質で優位にある。現地トップが執務室にとどまらずに販売先開拓を懸命に行っているような企業や、自社製品の良さを地道に伝える努力をしている企業は利益をあげている」と販売面からの成功要因の紹介がありました。

  写真左:東京大学 新宅准教授、写真右:横浜国立大学 曺教授

最後に、新宅准教授が「現地のことは日本人では分からないため現地スタッフに任せるべきことも多いが、日本で蓄積した生産や販売の方法論は通用する。これを現地に伝えていく必要がある」「苦しい時だからこそ内にこもらず、積極的に成長市場である新興国を目指していくべき」と総括がなされました。

JBICは今後も、日本企業の海外事業展開に関する様々な情報提供を行っていきます。

 

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