世界環境ビジネスフォーラム 上海 日中の環境協力について講演
JBIC本郷による基調講演
パネルディスカッションの様子
JBIC出展ブース 2009年11月9日、中国・上海において「世界環境ビジネスフォーラム」が開催されました。これは、同年7月東京、同年9月インドで開かれた同フォーラムに続くものです。国際協力銀行(JBIC)は、同フォーラムを後援し、JBICの取組みを紹介する展示ブースを設けるとともに、JBIC環境ビジネス支援室長の本郷尚が基調講演および金融に関するパネルに参加しました。
基調講演では、東京大学生産技術研究所教授の山本良一氏が地球温暖化による影響の深刻さを指摘、日本総合研究所執行役員創発戦略センター所長の井熊均氏は中国のエコシティ構想を紹介、また同済大学環境科学及び工程学院博士指導教授の李風亭氏が中国の環境への取り組みを紹介しました。
JBIC本郷は、「環境制約をビジネスの機会へ 日中環境協力の可能性を探る」をテーマに、11月8日に北京で行われた日中省エネフォーラムでの李克強中国国務院副総理、解振華国家発展改革委員会副主任など中国首脳の発言を紹介しながら、中国政府が環境問題への取り組みを強化する中で民間企業の役割を重視する方向にあることを指摘し、日中両国企業による協力が重要であることを述べました。
JBICとしても、環境投資分野における投資促進のため、高度技術の普及と民間資金の活用のための環境投資支援(LIFE)イニシアティブを推進していることを説明しました。さらに、環境技術の普及のためには、経済性を兼ね備えた技術の導入が必要であるとし、「商業的に利用可能な先端技術(Commercially Viable BAT)*1」の重要性を説明しました。その例として、中国における火力発電のタービンの近代化を挙げ、JBICとしても支援を検討していくため、中国電力企業連合会(CEC)、財団法人石炭エネルギーセンター(JCOAL)と、覚書を締結していることを紹介しました。*2
午後のプログラムにおいては、ヒートポンプエアコン、インバーターエアコン、排熱発電設備などの技術の紹介のあと、日中両国の企業の代表による技術協力の可能性についてのパネルディスカッションが行われました。
その後「日本のエネルギー技術(高効率発電、原子力、再生可能エネルギー、省エネルギー等)が切り開く地球温暖化防止」と題し、日本総合研究所の井熊氏をコーディネーターとして、三井住友銀行経営企画部CSR室長の佐藤耕司氏、上海浦東発展銀行ストラクチャードファイナンス担当部長の鄭大衛氏、JBICの本郷によるパネルディスカッションが行われました。
同パネルディスカッションでは、JBIC本郷より、日中の新しい協力のあり方として、産業と金融、そして政府が連携する「パブリック・プライベート・ファイナンシャル・パートナーシップ(PPFP)」を提案、特に、JBICが触媒役となって中国や日本の民間の資金で環境投資を支援することの重要性を説明しました。また、鄭部長からは中国では民間資金が利用可能となりつつあり、リスク管理手法など金融技術における支援もあわせた協力の必要性が指摘されました。それに対し本郷からは、JBICの環境ガイドラインが多数の金融機関で活用されており、またPPFPのもとで「商業的に利用可能な先端技術」の情報の共有などを通して連携を強化していきたいと述べました。
JBICは今後もこのようなフォーラムへの参加を通じ、日本企業の有する優れた環境・省エネ技術の普及支援に努めていきます。
注釈
- *1 BAT: Best Available Technology(利用可能な先端技術)の略
- *2 2009年11月9日付プレスリリース『中国石炭火力発電所の省エネ・環境改善事業で日中協力』をご参照ください。