2017年-わが国の海外直接投資動向とグローバル競争の新しいフェーズ


  JBIC業務企画室
次長兼調査課長 大矢 伸

  早稲田大学 大学院経営管理研究科長
淺羽 茂教授

株式会社国際協力銀行(JBIC)は、2017年1月30日、「わが国の海外直接投資動向とグローバル競争の新しいフェーズ」と題するセミナーを一般財団法人海外投融資情報財団(JOI)との共催*1で開催 しました。

本セミナーでは、各国在京大使館の大使や公使をはじめ総勢約140名が参加し、JOI近藤 純一理事長による開会の挨拶の後、JBIC業務企画室次長の大矢 伸より「2016年わが国製造業企業の海外事業展開調査(2016年度海外直接投資アンケート結果)の結果報告」の説明を行い、早稲田大学大学院経営管理研究科長の淺羽 茂教授より、「グローバル競争の新しいフェーズ」について講演を行いました。

JBICの大矢からは、調査の結果、アンケート回答企業の海外生産比率、海外売上高比率が引き続き上昇傾向にあること、中期的有望事業展開先国は前回2015年度の調査結果に続きインドが第1位となったこと、上位をアジア勢が占めており、現地マーケットの規模や成長性が理由としてより重要になってきていることを指摘しました。またトピックスとしては、サプライチェーンの在り方に関して、課題として為替リスクの影響を受けやすくなっているという回答が多かったことや、研究開発拠点の予算の増加に関し、全体では日本での拠点の予算を増加するという回答が多かったが、業種別に見ると、自動車関連企業については欧米の拠点における予算増加姿勢が日本を上回ったこと等について説明を行いました。

早稲田大学大学院 淺羽教授は、日本企業が海外展開において直面している新しい課題について、現地適応に成功した日本企業の事例や、上述の中期的有望事業展開先国の課題のうち「他社との激しい競争」の回答割合が増えているという今年度のアンケート結果を交えながら説明しました。特に日本企業は、ホーム地域であるアジアにおける売上高成長率が中国等のアジア企業のみならず、欧米企業よりも低いことを示しながら、グローバル競争で市場シェアを維持・拡大するために競争相手との差別化を意識した経営戦略が必要であることや、知的財産や人事についての本社関与の重要性について指摘しました。

JBICは、今後もこのような機会を通じ、海外事業展開に有益な情報の共有に取り組んでいきます。

会場風景
注釈
  1. *1セミナーのプログラムはJOIホームページのセミナー関連のページをご参照ください。
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