ワークショップの様子
2020年1月9日、株式会社国際協力銀行(JBIC)マニラ駐在員事務所は、フィリピン上院議会エネルギー委員会向けに当地ガスセクターにかかるワークショップを開催しました。フィリピン上院エネルギー委員長ガッチャリアン議員など約10名が参加しました。
フィリピンでは、将来的な国産天然ガスの枯渇が懸念されているところ、液化天然ガス(LNG)受入ターミナル基地の開発および同ターミナルからのLNGを活用したガス火力発電所のプロジェクト検討が進められています。同ワークショップは、ガス火力発電所の経済性やコスト競争力などを確認しつつ、当地におけるガス火力の必要性、またLNG受入ターミナル基地実現に向けた必要な環境整備などについて当地政府関係者に再認識を促し、日本企業による参画機会の拡大に繋げることを企図したものです。
本ワークショップでは、冒頭JBICマニラ駐在員事務所より、2018年8月にフィリピン政府と締結したインフラ開発に向けた戦略的協力関係強化に係る覚書*1やこれまでのフィリピンにおける案件実績などについて紹介しました。続いて、JBIC石油・天然ガス部より近年のアジアにおけるJBICのガスセクターの取り組みや、LNG・ガスバリューチェーンにおけるJBICの支援方針について紹介しました。
その後、JBICより調査委託を請け負うWaterRock Energy Economics社より、電力市場の自由化が進むフィリピンでは安価な石炭火力が選好される傾向にある点などの問題提起がなされ、燃料源毎の価格競争力比較や適切な競争入札制度の在り方などについての議論が行われました。自由討議セッションでは、フィリピン側から日本におけるガスセクター制度の発展に関する質問がなされるなど活発な議論が行われました。ガッチャリアン上院エネルギー委員長からは、同ワークショップ開催およびこれまでのJBICの協力に謝意が述べられました。
JBICは日本の公的金融機関として、今後も当地政府関係者等に働きかけを行いつつ日本企業の海外におけるビジネス拡大の支援を行っていきます。
注釈
- *1
2018年8月17日付プレスリリースをご参照下さい。