2009年7月号Quarterly Highlights
国際金融社会への貢献
国際金融危機に対して、日本企業支援、アジアへの経済安定化、アフリカ支援を推進
本邦金融機関向けツー・ステップローンの設定
4月に新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議で決定された経済危機対策に基づく日本企業の海外事業等の資金繰り支援の一層の推進の一環として、JBICは、日本の産業の国際競争力維持を目的に、本邦金融機関向けツー・ステップローンの対象金融機関を公募し、6月に対象機関が決定しました。
このツー・ステップローンは、ドルを中心として資金調達の困難に直面している日本企業(特に、中堅中小企業・中規模企業(準大手))の現地法人を、本邦金融機関経由で支援するものです。
本邦金融機関ツー・ステップローンの対象金融機関の公募結果
「サムライ債発行支援ファシリティ」の表明を受け、最大5,000億円規模で保証供与
JBICは、5月のインドネシア・バリでの「第12回ASEAN+3財務大臣会議」における日本政府の発表を受け、国際金融市場で国債を発行してきたものの、市場の混乱により発行が一時的に困難となっているアジア諸国に対し、マーケットアクセス回復に向けた自助努力を支援するため、最大5,000億円規模で保証を供与します。2009年度末まで各国から要請を受け付け、国ごとに「サムライ債保証枠」を設定する計画です。
この保証を通じて、アジア諸国の市場からの資金調達を後押しするとともに、サムライ債市場の活性化と、アジア諸国の経済の安定および国際的な金融市場の安定化に貢献することが期待されます。
アジア諸国のサムライ債発行支援
アフリカ開発銀行と協力関係強化の覚書締結
JBICは、5月に開催されたアフリカ開発銀行(African Development Bank、略称:AfDB)年次総会の機会に、AfDBとの間で、アフリカ支援における協力関係強化のための覚書を締結しました。
AfDBとのさらなる協力を通じて、日本からのアフリカ向け貿易・投資を一段と促進するとともに、インフラ整備によるアフリカの持続的な成長に貢献することが期待できます。
4月に創設したJBICアフリカ投資ファシリティやLIFE Initiative(環境投資支援イニシアティブ)も活用し、民間資金の動員を伴った積極的なアフリカ向け支援を促進していきます。
海外ビジネス支援
マレーシアにおける日系企業の資金調達環境改善を支援
JBICは、5月、マレーシアの商業銀行のRHB銀行とメイバンクとの間で、それぞれ事業開発等金融の貸付契約に調印しました。マレーシアでは製造業を中心に1,400社以上の日系企業が活動しています。世界的な金融危機の影響が広がるなか、この有力地場銀行2行を通じて現地日系企業や日系企業と取引を持つ現地企業に設備投資などの資金を供給することにより、企業の資金調達の環境改善を支援します。
資源
チリのエスペランサ銅鉱山開発に融資
生産品の一部を日本が引き取る予定
JBICは、5月にチリ法人Minera Esperanza(略称ESPERANZA)との間で、エスペランサ銅鉱山開発融資を対象とした貸付契約に調印しました。本プロジェクトは、英国法人アントファガスタ(Antofagasta PLC)と丸紅株式会社が出資するESPERANZAが、チリのアントファガスタ(Ⅱ)州に位置するエスペランサ銅鉱山を開発し、生産を行う資金になります。同鉱山で生産される銅精鉱の一部が、日本企業によって引き取られる予定です。
日本は、銅地金の原料である銅精鉱の全量(2007年:約505万トン)を輸入に依存しています。なかでもチリからの輸入量が全体の約43%を占めています。JBICは、これまでもエスコンディーダ銅鉱山やロスペランブレス銅鉱山など、チリの銅鉱山開発プロジェクトを支援しています。
環境
CO2回収・貯留促進に向けて、GCCSIの創立メンバーとして参加
創立発表を行うラッド首相
4月に豪州のキャンベラで、CO2回収・貯留(Carbon Capture and Storage:CCS)プロジェクトを推進する国際的な組織(Global Carbon Capture and Storage Institute:GCCSI)の創立会合が開催され、ラッド豪首相から正式に発表されました。
JBICは創立メンバーとして参加することを豪政府との間で合意しています。今後、GCCSIへの協力を通じて、CCSの国際的な普及に協力することになります。JBICは、石油・天然ガスなど資源開発融資や排出量取引の経験、CCSの事業化支援の情報を活用して金融面からの助言などを行う方針です。GCCSIには日本企業も多数参加しており、日本企業によるCCSプロジェクト開発や日本の技術活用にも貢献していく方針です。
ナレッジ提供
金融危機後のわが国製造業のフロンティア
京都で海外投資セミナーを開催
京都での海外投資セミナー
JBICは、4月に「金融危機後に見えるわが国製造業の新たなフロンティアと課題」をテーマに、京都商工会議所との共同主催で「海外投資セミナー」を開催しました。
世界的な金融危機の先に見えてくる、日本の製造業の展望と今後の課題について講演とパネル討議を行いました。さらに、同志社大学大学院ビジネス研究科の林廣茂教授をモデレーターに、野村総合研究所システムコンサルティング事業本部 此本臣吾執行役員・副本部長、パナソニック経営企画グループ藤田英樹チームリーダーの両氏を講師・パネリストに招き、講演とパネルディスカッションを実施しました。