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定例記者会見(2018年7月27日)

株式会社国際協力銀行 総裁記者会見

  • 日時)2018年7月27日 14:00~15:00
  • 場所)国際協力銀行 本店
  • 説明者)総裁 前田 匡史

Ⅰ.2017年度業務概況 資料1:P.3

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まずは、2017年度の業務概況からご説明をしたいと思います。3ページには出融資保証業務の状況、これは承諾というベースでございますけども、2017年度出融資保証承諾実績は、130件で1兆1,932億円ということで、2014年度に3兆円を超えていたものから比べますと、随分減少しています。ミッション別の出融資保証承諾実績とありますけれども、資源が9件、4,946億円、国際競争力が120件、6,824億円、こういうレベルだったわけですけども、承諾件数が減った一つの大きな理由は、M&Aです。これは金融条件によって民間企業のアペタイトというのが変動するものですから、少し条件が厳しくなったと。中堅・中小企業向けは、年度の途中で取り上げ条件を見直したので、後半の方に案件が少し出てきましたが、そういう意味で、件数・承諾額ともに、例年と比べると少し減っています。

Ⅱ.分野別ハイライト

1.資源の海外における開発及び取得の促進への取り組み 資料1:P.4~5

主な案件についてご説明すると、4ページに、アフリカのモザンビークとマラウイの二国間にまたがるナカラ鉄道・港湾事業がありまして、これはモアティーズ炭田という、ブラジルの資源メジャーのValeと三井物産が鉱山権益を持っている訳ですけれども、ここから製鉄用の原料炭を内陸から運搬するために、鉄道と港湾のインフラ整備が必要ということで、モアティーズというのはモザンビークの西の方の内陸部ですけれども、これからナカラ鉄道を経て、東側のナカラ港まで行く。ほぼ、東京・山口間の新幹線の距離に匹敵する長さであります。アフリカ向けの初の鉄道インフラ・港湾事業向けプロジェクトファイナンスということであり、日本の鉄鋼原料としての石炭の供給源の多様化、資源安定確保に貢献するということと、それから、2か国を跨るということで、少し難易度の高いプロジェクトファイナンス案件でした。

5ページは、アブダビの国営石油会社、ADNOCに対し、いわゆる石油の前払い融資で、JBICとしてADNOCに対する融資は、これが5回目でした。1回目は私が部長のときに決定した案件でした。今回は、ADMA-1鉱区というオフショアの油田の権益の更改がありまして、中国とインド等が日本と同じく入札を行ったために、前のときと比べると、随分競争環境が厳しくなった。ADNOCは産油国の企業に見られるように必ずしも財務データ等をディスクローズしていませんが、既に5回やっていますので、相当ADNOCとの信頼関係というのも出来ていまして、必要な情報については、こちらが申し出れば、出してくれるという関係が出来ております。今回も融資を通じて、INPEXの100%子会社であるJODCOが、10%の権益を確保しました。もともと12.5%だったので、減ったようにも見えますけれども、10%というのは、権益を取得した外国勢の中では、トップでした。これは40年間の権益ですので、相当、良い条件で取れたと思っています。

2.産業の国際競争力の維持及び向上への取り組み

1)日本企業の海外インフラ事業展開を支援 資料1:P.6~7

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案件形成の最後の方に来て融資可能かどうか判断するのでなく、案件形成の初期段階から関与して、バンカブルなプロジェクトに仕立て上げる、ということを、私は口を酸っぱくするほど、いつも言っています。その一例が、トルコの病院のPPP事業に対するプロジェクトファイナンスでした。これはJBICの融資承諾額は813億円ですけれども、双日と、トルコの現地の建設会社、ルネッサンスという会社による事業です。このルネッサンスというのは、サンクトペテルブルクで起業した会社で、既にトルコで、病院事業を手掛けていました。また、本件は一部MIGAの保証が入っています。トルコは、PPP法というイギリスの法制に倣ったものがありまして、確かにトルコ自体は、政治的リスクは低くはない国ではありますけれども、病床数が2,682床、東大病院が1,700床なので、東大病院と比べると1,000床ほど大きい病院です。トルコは地震国なのものですから、耐震・免震構造になっています。これは実は、イスタンブールの第三空港建設の計画があるのですが、その近くになります。私もヘリコプターに乗って上空から見ましたけれども、非常に広大なところで、建設工事が始まっているということでありました。

案件意義としては、日本の成長戦略に盛り込まれた、「医療・介護分野の国際展開」を金融面から後押しということです。双日さんはわざわざ本件のために組織改編まで行ってですね、このプロジェクトに投資されたということであります。

その次の7ページの案件は、インドネシアの地熱発電の案件でありまして、協調融資総額は、3億5,000万ドルということでありまして、これはADBも入っております。これは丸紅と東北電力の事業でありまして、東北電力としては初の海外の地熱発電事業です。CO2の排出削減に向けて、インドネシアは電源開発計画において、再生可能エネルギーに力を入れることを掲げており、地熱資源も豊富です。この案件は南スマトラ州でありますが、アウトプットが98.4MWとなっています。これはインドネシアの国営電力開発公社、PLNというところに売電すると、そういう形になります。

2)日本企業の戦略的な海外事業活動を支援 資料1:P.8

8ページはブラジル向けFPSO傭船事業に対するプロジェクトファイナンスです。FPSOは、Floating Production, Storage and Offloading systemの略ですけれども、ブラジルのリオの沖合南東250kmにある、Santos盆地プレソルト層のSepia油田でのプロジェクトです。海外で傭船事業を行っているMODEC、更に、三井物産、商船三井、丸紅、及び三井造船のコンソーシアムがペトロブラス向けに最大21年に亘ってFPSO傭船を行う事業に対し、JBICと民間銀行が約10億ドル弱の協調融資を行うという巨額のプロジェクトになります。

3)中堅・中小企業の海外事業展開を支援 資料1:P.9

9ページは中堅・中小企業向け案件になりまして、支援ニーズのあるセクターが広がりつつある、ということで、従来型の自動車や機械部品製造等に加えて、食品製造や小売り関連も増えています。ミャンマーのブロイラー食肉加工・販売事業、これは宮崎県のエビス商事さんという食肉加工業者がミャンマー現法を設立するための資金を融資しまして、高品質なブロイラー食肉を海外展開するというものです。日本政府が掲げる「グローバル・フードバリューチェーン戦略」にも合致しています。

それから、ベトナム向けにも、トヨタカローラ南海が出資するベトナムの現法の店舗設立及びメンテナンスラインの設置等を支援しました。少子高齢化や、カーシェアリングの普及で、国内市場は先細りが予想される中で、ベトナムでは昨年27万台の車が売れて、このうち約6割は日本車が占めています。こうした有望な市場向けに、どんどん販売を促進する必要があるということで、融資を行いました。

こうして見ると、かなりバラエティのある業務を展開できているなと思います。

Ⅲ.第3期中期経営計画 資料2

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2017年度で先の中期経営計画が終了して、2018年度~2020年度の3か年の計画というのを新たに作りました。

現在のJBICを取り巻く環境の変化を具体的にいうと、例えば、人口の問題ですとか、環境の問題。日本で言うと、少子高齢化、労働人口の減少。それから第4次産業革命というのが勃興しており、短いスパンでどんどん技術革新が起こっています。従来型のやり方ではなかなか世界的な競争力を維持できないということであります。ということで、これまでなかった、中長期的ビジョンというものを策定いたしました。JBICを取り巻く環境変化というものを踏まえて、JBICの企業理念である「国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展く」と中期経営計画を繋ぐ概念として、10年程度先に、どういうことをやりたいかということを考えて、策定したものであります。それが、「海図なき世界情勢の中で、日本企業の海外ビジネスを切り開く羅針盤でありたい」になります。

4ページに、計画概要についてご説明します。課題の取り組み方法として掲げる基本方針は、(1)強み・特性に裏打ちされたリスク・テイク機能の拡充・強化、(2)社会情勢・顧客ニーズの変化に応じた自己変革・柔靭性の追求、民業補完の徹底、(3)組織力の結集、と、3つあります。そして柱となる、8つの重点取組課題で、業務分野が5つ、組織分野が3つということでありますけれども、大きな特徴は、今までやってきた政策金融というのは、業務⑤というところにまとめている訳であります。

JBIC法というのは、1950年に作られた日本輸出銀行法の骨格をそのまま受け継いでいますので、かなり法律の立てつけが細かく書いてある。例えば、輸出金融では、誰が資金を借り受けるか、どういう資金を貸すか、ということを細かく書いておりまして、そういう意味で、柔軟性に欠ける立てつけになっていたんですね。私どもは、経営諮問評価委員会で外部の委員の先生方から色々なご意見を頂戴しておりますけれども、法律に記載があるような、「国際競争力の強化」や「資源の安定確保」等のマンデートを並べているだけでは、中期経営計画とは言えない、というご指摘を受けたんですね。ということで、法律に書いてあるマンデートも記載しつつ、現代的な課題に応じたものを、重点取組課題の最初の4つに記載しました。

①は、成長分野・新領域ということで、取組目標は、1.イノベーション促進に向けた戦略的取組の推進、2.経済フロンティアにおける我が国企業のビジネス展開支援、3.新たな市場環境に対応する資源プロジェクトの推進を掲げました。例えば今、「オープンイノベーション」と言われますけれども、自前の技術だけで全部やろうということでは、なかなか対応できない。かつ、5Gの通信とか、AIとか、IoTとか、非常に技術革新のスピードが速い。技術革新の中心地としてぱっと思い浮かぶのはシリコンバレー、あるいは中国なんですけれども、必ずしもそういうところは、日本企業が、M&Aでうまくいくかというのはわからない国なんです。なぜかというと、既に現地企業のお値段がかなり高いということがあります。それからごく限られた一部の人間がディールをぐっとコントロールしていて、なかなか外部の人間が入るというのは容易ではない。それ以外でも、地球儀を見ると、色々なところがあるなと。場所の名前は、今の段階ではお伝えできませんが、アメリカに限らず、非常に優れた技術を持っている、あるいはスタートアップ企業もある、シーズもある、という国もございます。

私ども、昨年、経営共創基盤、IGPIと合弁で、JBIC IG Partnersという子会社を作りました。これを所謂、アセットマネジメントをする会社として、関東財務局にも免許登録をしておりますけれども、ロシアとの共同ファンド、Russia Japan Investment Fundの日本側のGP、ジェネラルパートナーを務めています。JBICはLP、リミテッドパートナーとしてお金を出す立場です。私共の若い職員、非常に優秀な職員を選抜して、IGPIからも優秀な人を出してもらって、どんどん目利き力を高めてもらうということで、GPですので、LP、第三者のお金を運用するということになるものですから、きちんとした目利き力が必要です。それが、「成長分野・新領域」分野への支援に、投資の機能を使って、対応していこうと。これまで勿論既に我々、LPとして、ファンドで言えば20数件、出資をしています。これは全てLPなので、基本的にどこに出資するのかというのはGPが決める。こういう形だったわけですが、今までのLPとしての取り組みをレビューしてみて、どういう分野に今後やっていくべきかというのを考えて、あるいは日本企業のビジネスマッチングという観点で、どういう役に立てるか、ということについてのレッスンを踏まえながら対応しています。ちなみにRussia Japan Investment Fundは、既に3件投資をしています。今年の年度内にあと数件は投資できると思いますけれども、ロシアでも従来の資源分野などに限らず、新しい分野、例えば遠隔医療の企業等にも既に投資をしております。

二番目のインフラ海外展開というのは、安倍政権の掲げる質の高いインフラになりますけれども、新たにファシリティを作りまして、インフラの海外展開を進めていくと、そういうことになります。私は本件に、2010年から取り組んでいるんですけれども、なかなか容易ではない、と感じます。なぜ容易ではないのかというと、日本のインフラ関連企業というのが、保守的だということが言えるんだろうと思うんですね。海外展開というのは勿論、リスクはたくさんあります。日本のインフラ輸出ではこれまで電力セクターが一番多かった。その理由は、長期の売電契約というものがあるために、資金計画を立てやすかったんですけれども、他方例えば鉄道案件、高速鉄道等は典型的ですけれども、結局どれだけお客さんが乗るか、ということがわからない。勿論、現地国政府がライダーシップ保証を付与してくれればよいのですが、相手も財政事情があるものですから、普通そんなことはしない。そのライダーシップをどのように見るか、について様々な知見を集める必要があります。最近ではこのスマホのアプリを使って、どういう人がどういうところを歩いているか、というのが、昔に比べれば動態的なレビューがとりやすくなり、ライダーシップのサーベイというのも精緻に出来るようになりました。ですが、なかなか、ライダーシップリスクを取ってまで、海外に出ようという鉄道事業会社は、はっきり言っておりません。メーカーさんもベンダー意識が強くて、モノを売りに行っているわけですね。それではなかなか勝てない。ベンダー意識でやっていると、結局より安く生産する中国とか、そういったところに勝てるはずもありません。海外インフラ展開というのをやるためには、やはりライフサイクルコストを下げないといけない。つまり、オペレーションとメンテナンスというものを含めて、トータルで日本と付き合ってよかったな、という風に、海外の顧客にわかってもらう必要がある。そういう取り組みをしています。

更に加えて、地経学的重要性が高い国、経済フロンティアに向けた支援も強化いたします。中国が「一帯一路」というものをやっておりますが、これは政治的なスローガンでありますから、具体的に計画があって、ここにいくら、東南アジアにいくら、中央アジアにいくら投資するか、というそういう計画ではないんですよね。それに対応するためには、基本的には二つのやり方があります。一つは「ヘッジ」する。もう一つは「エンゲージ」する。どちらか、あるいは組み合わせる必要がある。ということで、地経学的重要性が高い国を選別して、戦略を考えた上で、対応していきます。

三点目は環境保全です。取組目標として、1.世界の低炭素化への貢献、2.地球環境保全の更なる推進と掲げています。最近はESG投資ということで、環境負荷の大きいところに融資をしていると、そもそもその行為自体の払うコストが高くなっています。例えば、ボンドが売れなくなる、と様々な悪影響があります。やはり地球温暖化は喫緊の課題でありまして、例えば、シベリアの永久凍土が解けているそうです。永久凍土が解けると、シベリアのパイプラインの建設が進まなくなります。他方で、例えば北極海航路というものが使えるようになりました。北極海の上のヤマル半島というところでLNGの生産が始まっていますけれども、既に中国に向けて、第一ファーストカーゴが届きました。そういう意味において、東に回って、LNGがアジアに来る、というような取り組みも現在展開されております。しかしながら、やはり温室効果ガスの排出を抑制する必要がありますし、環境負荷が高いものについては、技術レベルを上げていく必要があります。そういう意味で、環境保全等という柱になっています。

四つ目のM&Aは先ほど申し上げた通り、時限性のある、ファシリティの下でやっていたわけですけれども、今年の7月から、M&Aはファシリティではなくて、私どもJBIC本体の方でやっていくということであります。

あとは、今申し上げたことに関係するところでありますので、ご質問の時にお答えをしたいと思いますけれども、例えば、地経学のところでは、10ページをご覧いただくと、先ほど言いました、北極海航路というのは一番左にある図です。ロシア、ノヴァテックがアジア・パシフィックでLNGのハブを作ろうという構想を持っています。具体的にはカムチャッカ半島を念頭においているようであります。真ん中の喋々プロジェクトは、韓国のYeosijaeという、文在寅大統領を支持する民主党系シンクタンクが出している資料で、物流の連結性を、韓国をハブにしてやっていこうという計画であります。こういうことで、各国は、経済の連結性強化ということで広域に手を拡げようとしています。

我が国の戦略は、自由で開かれたインド太平洋戦略ということで、安倍総理が提唱し、トランプ大統領も呼応されたということであります。「日米が主導してインド太平洋を自由で開かれたものとすることにより、この地域全体の平和の繁栄を確保していくため、以下の三本柱の施策を進めることにした。三本柱は、法の支配、航行の自由等の基本的価値の普及・定着、連結性の向上等による経済的繁栄の追及、海上法執行能力構築支援等の平和と安定のための取組。」とあります。このポイントはですね、賛同するいずれの国とも共同して重層的な協力関係を構築するということです。Inclusiveness、「包摂性」とも言います。そういうことでいうと、中国ともこの条件に合致する限りにおいて、勿論「エンゲージ」をしていく、ということです。私共は、アメリカの政府機関である、海外民間投資公社(OPIC)と昨年10月に業務協力協定を結びまして、インド太平洋戦略を念頭に置いて、共同で投融資をしていこうじゃないかと対話をしております。実は、OPICというのは、political risk insuranceという保険の機関なんですね。保険機関というのは受け身な機関が多いと思いますけれども、トランプ政権では、OPICを改組して、より機能を拡充させるという法案を議会に提出しております。通常、共和党の政権というのは、小さな政府を掲げているわけでありますけれども、トランプ政権はそういうことと関係なく、OPICを強化して、日本、インド、豪州と連携を強化しようと、そういう対話をしています。12ページに米国と連携したState by Stateアプローチというものがありますが、アメリカは広い国なので、民主党系の州と、共和党系の州、かなり違います。例えば西海岸は、アラスカを除いて全て民主党の州でありますけれども、そういったところは、環境意識が高い。例えばLNGの積み出し基地すら作らせない。JBICは、最初にワシントン州と覚書を結んだんですが、これはアラスカを除くと西海岸の一番北にあります。シアトルは物流の拠点になっていて、例えばアラスカから漁業資源がくるわけですけれども、それを一旦、シアトルの港で積み替えて、アジア各地に出しているということが行われています。まずワシントン州を手始めにやってみようということで、例えば運輸関連プロジェクトを念頭に協力をしようと考えております。

13ページは中国との関係であります。5月に李克強首相が来日されました。次に安倍総理が、秋に北京に行くということになっていますけれども、中国の目玉である一帯一路に対して。「ヘッジ」はするけれども、「エンゲージ」もすると。そういったことで、JBICは、一帯一路の実施という観点から、中心的役割を果たしている、中国開銀と業務協力協定を昨年3月に締結しました。補足ですが、中国は輸銀と開銀二つあって、どちらも中国国外向け支援を行っています。規模は開銀の方が大きいです。開銀との業務協力協定を踏まえ、董事長と何度も話をしています。中でも、第三国での日中の新規ビジネスの拡大を検討しており、念頭に置いているのは、メコン地域。それからアフリカを念頭に置いております。アフリカは既に中国は先行していますので、協力することによって、中国がどういう風にやっているかの知見も高まるだろうということです。

それからロシアですが、15ページに記載があるのが、JBIC子会社のJBIC IG Partnersがロシアのソブリンウェルスファンドであるロシア直接投資基金と共に設立しました、RJIFです。10億ドルのファンドであります。また、9月にロシアの極東、ウラジオストクで東方経済フォーラムというものがあって、安倍総理も行かれますし、金正恩にも招待状が送付されていると言われています。過去で言うと、朴槿恵前大統領も来られています。極東には、先進経済特区というのがあります。極東は広くて、地図をご覧いただくと、一番西のヤクーチア・リージョンは、インドと同じ面積です。私も先週行ってまいりました。冬場は、最低気温が氷点下72度というところですが、そこで日本企業、具体的に言うと、北海道銀行の子会社である北海道総合商事が、温室栽培でトマトときゅうりを作っています。気温20度に保たれていて、非常においしいきゅうりです。きゅうりはどこに供給しているかというと、学校給食で、ニッポンスキーキュウリということで現地でも好評です。北海道型の温室の野菜栽培をやっていこうということであります。どうしてpayするかというと、ガスが安いからです。安いガス発電を利用して栽培出来る。LNGを調達している日本と違って、生のガスです。

なかなかロシアは、特に極東は、投資しにくい地域だと昔からいわれています。それはモスクワの意向がなかなか届かないといった理由がありましたが、それではなかなか立ち行かないので、極東JPPVというものを作りまして、私共と、ロシアの極東発展省という役所の下にある、ロシア極東投資誘致・輸出支援エージェンシーと、ロシアのVEBの傘下にある、極東バイカル地域開発基金と合弁で、アドバイス・助言や政府当局と調整を行う仕組みを作りました。既に5件のサポート対象の企業さんと業務協力協定を結んでおります。JPPVのサポートを受けると、JBICからの投融資を受けるための前提条件が整うという仕組みにしておりまして、先ほど言った野菜工場も、将来的には出資を含めた対応を検討していこうと思っています。

ということで、ざっとご説明を申し上げました。

記者会見等