- 地域: 中南米
- 資源
- 投資金融
2012年10月24日
- 株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:奥田 碩)は、今般、新日鐵住金株式会社(以下「新日鐵住金」)及びJFEホールディングス株式会社(以下「JFEHD」)との間で、ブラジル連邦共和国法人Companhia Brasileira de Metalurgia e Mineração(以下「CBMM」)の株式取得資金について、それぞれ135百万米ドル(JBIC分)の貸付契約に調印しました*1。本融資は、民間金融機関との協調融資によるもので、JBICの「円高対応緊急ファシリティ」*2の下での資源・エネルギーの確保・開発の促進に関する案件です。
- 本件は、新日鐵住金及びJFEHDの子会社たるJFEスチール株式会社(以下「JFEスチール」)が、双日株式会社及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共にコンソーシアムを組成の上、CBMMの株式の10%を取得した資金につき、新日鐵住金及びJFEHDに対しそれぞれ融資するものです。CBMMは、ブラジル連邦共和国ミナス・ジェライス州アラシャに、レアメタルの一種であるニオブの鉱山と精製工場を有する鉱山会社であり、ニオブの生産量では世界最大のシェアを有しています。
- ニオブは、高級鋼材・特殊鋼材を生産するために不可欠なレアメタルであり、製鋼過程で微量を添加することにより鉄鋼製品の強度・靭性・耐熱性を飛躍的に向上させる特性を有します。ニオブを添加した高級鋼材等は、パイプラインや自動車、大規模建築用建材や発電用タービン等、幅広い分野で使用されていますが、日本はその全量を海外からの輸入に依存しています。
- 新興国の成長に伴いニオブの世界的な需要は拡大しており、日本の製鉄会社が引き続きニオブを安定的に確保することは、日本の製鉄産業の国際競争力の維持・向上の観点からも極めて重要な課題となっています。新日鐵住金及びJFEスチールは、CBMMからの安定供給体制をさらに強固なものとするべく、株式取得と共に同社との間で長期引取契約を締結しました。
- JBICは今後も、日本企業によるレアメタルをはじめとする鉱物資源やエネルギー資源などの開発・取得の促進を積極的に支援していく所存です。
注釈
- *1 JBICとJFEHDとの貸付契約は2012年10月10日に締結済みですが、本プロジェクトに関し、本日、新日鐵住金との間で貸付契約を締結したことに伴い、プレスリリースを行ったものです。
- *2 2011年9月22日付お知らせ及び2012年8月31日付お知らせをご参照下さい。