- 地域: アジア
- インフラ
- 一般機械・設備
- 輸出金融
- 投資金融
-
本融資は、NTPCがインド南部のカルナタカ州クドゥギ地区において超臨界圧石炭火力発電所(3×800MW)を建設するにあたって、株式会社東芝(以下「東芝」)のインド現地法人である東芝ジェイエスダブリュー・パワーシステム社(Toshiba JSW Power Systems Private Limited、以下「TJPS」)、東芝及び株式会社荏原製作所(以下「荏原」)から、蒸気タービン発電設備(TJPS及び一部東芝製)、及びボイラ給水ポンプ(荏原製)等を購入するための資金を融資するもので、JBICとして大規模インフラプロジェクトに対する初めてのローカル・バイヤーズ・クレジットを活用した融資です。
-
インドでは、近年の急速な経済発展に伴い電力需要が急増する一方、電力需要増大に応じた発電所建設が追いつかず、慢性的な電力不足が続いており、インドに進出する日系企業にとっても電力不足解消は重要な課題です*3。インド政府は、こうした状況を踏まえ、電力供給能力の拡充を優先課題と位置付けており、第12次5ヵ年計画(2012~2017年度)の下、大規模な電力設備増強を計画しています。今後も同国において発電所の新設及び既設発電所のリハビリ事業が多数見込まれています。
-
NTPCは、1975年に設立されたインド最大の電力事業者であり、発電設備容量は同国全体の16%、発電量は同25%を占めており、アジア地域でも有数の規模を誇っています。NTPCは第12次5ヵ年計画における電力設備増強計画にて重要な役割を担うことが期待されており、今後も複数の発電所建設を予定しているところ、高い技術力を有する日本企業にとっても、ビジネス機会拡大への期待が高まっています。こうした中、JBICが、ローカル・バイヤーズ・クレジットとバイヤーズ・クレジットを組み合わせ、日本企業によるインフラビジネス展開を包括的に支援する本件は、インドにおける日本企業の事業拡大・受注力強化ひいては、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものであり、また、本件を通じたJBICとNTPCの関係強化によって、今後、NTPCと日本企業との間で電力インフラ分野における様々な連携が一層深まることが期待されます。なお、本行は、TJPSの製造工場の建設資金等にも融資を行っており*4、今回は同工場で製造されたタービン機器の販売に融資を行うことで、本邦企業の海外事業を多面的に支援しています。
-
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、多様な金融ツールを活かした案件組成やリスクテイク機能を通じて、日本企業によるインド向けのインフラ関連設備等の輸出や同国での事業への参画機会の拡大を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 2013年2月1日付お知らせをご参照下さい。
- *2 株式会社三井住友銀行の融資部分に対しては、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)により海外事業資金貸付保険及び貿易代金貸付保険が付保されます。
- *3 JBICが実施した「2013年度海外直接投資アンケート結果(第25回)」においても、インドで事業展開している企業のうち約6割の企業が電力インフラに問題があると回答しています。詳細については、2013年11月29日付プレスリリースをご参照下さい。
- *4 2009年10月22日付プレスリリースをご参照下さい。