- 地域: アジア
- 一般機械・設備
- 輸出金融
-
株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、25日、安倍内閣総理大臣のインド訪問の機会をとらえ、インド国営火力発電公社(NTPC Limited、以下「NTPC」)との間で、融資金額約48億円(JBIC分)を限度とするバイヤーズ・クレジット(輸出金融)の貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三井住友銀行との協調融資によるもので*1、協調融資総額は約80億円です。
-
本融資は、NTPCがインド北部のウッタル・プラデシュ州オーライヤ地区においてガス複合火力発電所(設備容量663.36MW)のリハビリ事業(改修及び設備更新)を行うために、丸紅株式会社及び三菱重工業株式会社(以下「三菱重工業」)からガスタービン及び制御装置(三菱重工業製)を購入するための資金を融資するものです。
-
インドでは、近年の急速な経済発展に伴い電力需要が急増する一方、電力需要増大に応じた発電所建設が追いつかず、慢性的な電力不足が続いており、インドに進出する日系企業にとっても電力不足解消は重要な課題です*2。インド政府は、こうした状況を踏まえ、電力供給能力の拡充を優先課題と位置付け、第12次5ヵ年計画(2012~2017年度)の下、大規模な電力設備増強を計画しており、今後も同国において発電所の新設及び既設発電所のリハビリ事業が多数見込まれています。
-
NTPCは、1975年に設立されたインド最大の電力事業者であり、発電設備容量は同国全体の16%、発電量は同25%を占めており、アジア地域でも有数の規模を誇っています。NTPCは同国最大の電力事業者として、第12次5ヵ年計画における電力設備増強計画にて重要な役割を担うことが期待されており、今後も複数の発電所建設を予定しているところ、高い技術力を有する日本企業にとっても、ビジネス機会拡大への期待が高まっています。本融資は、日本企業のインドへの輸出を通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものであり、また、本件を通じたJBICとNTPCの関係強化によって、今後、NTPCと日本企業との間で電力インフラ分野における様々な連携が一層深まることが期待されます。
-
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、多様な金融ツールを活かした案件組成やリスクテイク機能を通じて、日本企業によるインド向けのインフラ関連設備等の輸出や同国での事業への参画機会の拡大を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 株式会社三井住友銀行の融資部分に対しては、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)により貿易代金貸付保険が付保されます。
- *2 JBICが実施した「2013年度海外直接投資アンケート結果(第25回)」においても、インドで事業展開している企業のうち約6割の企業が電力インフラに問題があると回答しています。詳細については、2013年11月29日付プレスリリースをご参照下さい。