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- 輸出金融
2014年3月25日
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、24日、エクアドル共和国(以下「エクアドル」)政府との間で、9.6百万米ドル(JBIC分)を限度とする輸出クレジットライン*1(以下「本クレジットライン」)設定のための貸付契約を締結しました。本クレジットラインは、シティバンク銀行株式会社との協調融資によるもので、同行融資部分には独立行政法人日本貿易保険(NEXI)による貿易代金貸付保険が付保されます。協調融資総額は16百万米ドルです。
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本件は、エクアドルの国営放送局(RTV Ecuador、以下「RTV」)が、同国キト市及びグアヤキル市等において実施する地上デジタル放送網整備プロジェクトに必要な放送関連機器を日本企業より購入するための資金を対象とした輸出クレジットラインをエクアドル政府に設定し、同政府を通じて、RTVに対して米ドル建での資金を融資するものです。
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国内放送の地上デジタル放送への移行を目指すエクアドルでは、2010年3月に、日本方式(ISDB-T方式*2)の地上デジタル放送方式の採用が決定したことを受けて、日本の放送関連機器メーカー等のエクアドル向け輸出商談が活発化しています。日本政府は、地上デジタル放送の日本方式の国際展開を推進しており、中南米を中心にこれまでに世界15か国で日本方式の採用が決定されています。本件は、官民連携で取り組んでいる地上デジタル放送の日本方式の国際的な普及及び日本からの関連機器の輸出を金融面から支援することを通じて、エクアドル共和国における高い品質の地上デジタル放送ネットワークの拡充に貢献すると共に、日本企業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業による放送関連機器等の輸出を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 輸出クレジットラインは、輸出金融の一形態であり、日本からの設備等の輸出を促進するため、あらかじめ一定金額の融資枠を設けておくものです。
- *2 ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式とは、国際標準となっている地上デジタルテレビジョン放送の規格で、携帯端末での放送視聴が可能であること、防災のための緊急放送が可能であることといった技術的な優位性があること、また、携帯端末向け放送(ワンセグ)とハイビジョン伝送が一つの送信機で伝送可能であり経済的であること等が特徴です。