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2015年3月18日
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、16日、「海外展開支援融資ファシリティ」*1の一環として、サウジアラビア王国(以下「サウジアラビア」)法人Rabigh Refining & Petrochemical Company(以下「ペトロ・ラービグ社」)との間で、同国西岸のラービグ地区における石油精製・石油化学統合プラント拡張事業(ラービグフェーズⅡプロジェクト)を対象とし、1,998百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*2による貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社、農林中央金庫の本邦金融機関5行を含む民間金融機関及びサウジアラビアの公的機関であるPublic Investment Fund(PIF)との協調融資によるもので、協調融資総額は5,168百万米ドルです。
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本プロジェクトは、住友化学株式会社(以下「住友化学」)とサウジアラビア法人Saudi Arabian Oil Company(以下「サウジアラムコ」)が主要株主として出資しているペトロ・ラービグ社が、既存の石油精製・石油化学統合プラント(ラービグフェーズⅠプロジェクト)*3を拡張の上、付加価値の高い石油化学製品を製造し、住友化学とサウジアラムコが当該製品を引き取り、販売を行うものです。
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本プロジェクトにおいて、住友化学は原料立地によりコスト競争力とスケールメリットを活かして収益性を最大限高めたうえで石油化学製品の製造・販売事業を展開することを企図しており、JBICが本融資を通じて本プロジェクトを支援することは、日本の石油化学産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものです。
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また、日本にとって、サウジアラビアは最大の原油輸入相手国であり、原油輸入の約30%を同国からの輸入に依存しています。平成26年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」においては、サウジアラビアを含む資源供給国との関係を、単に資源の取引をしているだけのものとはせず、多様な経済取引等、包括的かつ互恵的な二国間関係として発展させていくための総合的な外交的取組を推進していくことが、わが国の資源調達環境の基盤強化において重要である旨が謳われており、本件はこうした我が国政府の施策にも合致するものです。
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加えて、サウジアラビアは現在、石油依存型経済からの脱却及び雇用の確保のために、外資誘致等による石油化学産業の拡大を国策としているところ、JBICが本プロジェクトを支援することは、サウジアラビアの政策にも合致するものであり、また日本とサウジアラビアとの関係の一層の深化にも資するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 2014年7月1日付お知らせをご参照下さい。
- *2 プロジェクトファイナンスとは、主にプロジェクトのキャッシュフローを担保とする融資の仕組みのことです。
- *3 JBICはラービグフェーズⅠプロジェクトに対して2006年3月2日付でペトロ・ラービグ社との間で融資金額25億米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。詳細は、2006年3月3日付プレスリリースをご参照下さい。