- 地域: 中東
- 一般機械・設備
- 輸出金融
- プロジェクトファイナンス
2014年5月30日
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、29日、トルコ共和国(以下「トルコ」)法人STAR RAFİNERİ ANONİM ŞİRKETİ(以下「STAR」)との間で、融資金額約291百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1・ベースのバイヤーズ・クレジット(輸出金融)*2の貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三菱東京UFJ銀行(幹事行)、アイエヌジーバンクエヌ・ヴイ東京支店、クレディ・アグリコル銀行東京支店及びビー・エヌ・ピー・パリバ銀行東京支店との協調融資(協調融資総額約485百万米ドル相当)であり、民間金融機関融資部分には独立行政法人日本貿易保険(NEXI)による保険が付保されます。また、本プロジェクトに対しては、他国輸出信用機関*3も参加する国際協調融資案件です。
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本プロジェクトは、アゼルバイジャン共和国(以下「アゼルバイジャン」)の石油公社であるState Oil Company of the Azerbaijan Republic(以下「SOCAR」)及びアゼルバイジャン経済産業省が間接出資するSTARが、Izmirの北西約50kmのAliaga地区に原油精製能力日量21万4,000バレルの製油所を建設・操業し、SOCARの子会社であるトルコの民間石油化学企業Petkim Petrokimya Holding A.S.をはじめとするオフテイカーに対し、引取契約に基づき石油精製品を販売するものです。JBICは、伊藤忠商事株式会社が参画する共同事業体(J/V)が一括受注した石油精製プラントの設計・調達・建設に係る契約資金の一部をSTARに対し融資します。
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トルコでは、ナフサやディーゼル等一部の石油精製品の旺盛な需要に対し、国内供給が追い付いておらず、供給不足分はトルコ国外からの輸入に頼っている状況です。本プロジェクトは、今後も石油精製品の供給不足が継続するものと見込まれているトルコにおいて、新たに製油所を建設するものであり、同製油所建設により、トルコ国内における石油精製品の供給不足の改善が図られることが期待されています。また、本件は、日本企業に輸出機会を創出し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものです。
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JBICは、従来、プロジェクトファイナンスの豊富な経験・知見を活かし、他国の公的機関と共に案件検討の初期から参画し、円滑なファイナンス組成に貢献して参りましたが、今後も、多様な金融ツールを活用した案件形成やリスクテイク機能を通じて、日本企業によるトルコ向けのプラント・機器類の輸出や同国での事業への参画機会の拡大を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュ・フローに限定し、プロジェクトの現地資産等のみを担保として徴求する融資スキームのことです。
- *2 バイヤーズ・クレジットとは、外国の輸入者が日本企業から機械設備等を輸入するための資金を、JBICより外国の輸入者に直接融資する形態のことです。
- *3 スペイン輸出信用保険会社(CESCE)、カナダ輸出開発公社(EDC)、米国輸出入銀行(EXIM)、韓国貿易保険公社(K-SURE)、イタリア外国貿易保険株式会社(SACE)。