カナダ法人Cancarb Limitedの買収資金融資について
海外展開支援融資ファシリティの一環として、日本企業の海外M&Aを支援

• 地域: 北米
• 一般製造業・サービス業
• 投資金融

1. 株式会社国際協力銀行（JBIC、総裁：渡辺　博史）は、本日、「海外展開支援融資ファシリティ」^*1の一環として、株式会社三菱東京ＵＦＪ銀行（以下「BTMU」）との間で、東海カーボン株式会社（以下「東海カーボン」）によるカナダ法人Cancarb Limited（以下「Cancarb」）の買収に必要な資金の一部に係る貸付契約を締結しました。
    
2. 本件は、JBICがBTMUとの間で締結済のM&Aクレジットライン設定のための一般協定に基づき、BTMUを通じて融資を行うものです。（買収総額188百万カナダドル^*2に対し、JBIC融資承諾額58百万米ドル限度）。
    
3. Cancarbはカーボンブラックと呼ばれるタイヤ等の各種ゴム製品や耐火物向けの重要な原料である工業用煤の開発・製造メーカーであり、北米での豊富な天然ガス市場へのアクセスを活かし、カーボンブラックのうち天然ガスが主原料のサーマルブラックと呼ばれる製品で50%以上のマーケットシェアを占めています。一方、東海カーボンはカーボンブラックのうち石油等が主原料で用途が広範なファーネスブラックでアジアにおける高い地位を有しています。東海カーボンはカーボンブラックを中長期の戦略的成長分野と位置付けており、本買収を通じ、カーボンブラック市場全体におけるプレゼンスを向上させると共に、サーマルブラック分野への進出を確保することで製品ポートフォリオ及び技術基盤の拡充並びに収益力・コスト競争力の強化を企図しております。
    
4. 本融資は、日本企業による海外でのM&Aに必要な長期外貨資金を本邦金融機関と連携して機動的に供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものです。
    
5. JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業による海外M&Aへの支援を行っていきます。

注釈

1. *1 2014年7月1日付お知らせをご参照下さい。
2. *2 約175百万米ドル相当です。