

株式会社国際協力銀行(JBIC)は、2019年2月18日、フィリピンにおける官民パートナーシップ(PPP)によるインフラ整備の課題・改善案等についてフィリピン政府等と議論するPPPワークショップをフィリピン・マニラにて開催しました。本ワークショップは、現在フィリピン政府が推進中のハイブリッドPPP*1特有のリスクについてフィリピン政府等と意見交換を行い、フィリピンにおけるインフラ開発への日本企業の参画機会拡大に繋げることを企図したものです。
本ワークショップでは、プライスウォーターハウス・クーパース社(PwC社)より、インターフェイスリスク(建設とO&Mを請け負う事業者が異なることによるリスク)に代表されるようなハイブリッドPPPにおけるリスクおよびオペレーション・メンテナンスを民間事業者に委託する際の適切な重要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)設定の在り方について他国の事例を用いながら説明が行われました。また、アレン・アンド・オーヴェリー外国法共同事業法律事務所からは、同事務所が過去に行ったPPPに関する調査について外資規制やリスクアロケーションの観点から発表がありました。
続いて行った自由討議セッションでは、PPPセンター*2ペクソン長官より、ハイブリッドPPPの重要性や適切なリスクアロケーションの在り方などについて発言があり活発な議論が行われました。
同ワークショップでは、JBICマニラ駐在員事務所より、2018年8月にフィリピン政府と締結したインフラ開発に向けた戦略的協力関係強化に係る覚書の締結について紹介し、同覚書に基づくグリーンインフラ向け投資案件促進のために、JBICが2018年7月に創設した「質高インフラ環境成長ファシリティ(QI-ESG)」の活用についても説明を行いました。
同ワークショップには、アジア開発銀行(ADB)、国際金融公社(IFC)といった国際機関や、フィリピン政府関係者などから多数の参加があり、各方面からハイブリッドPPPによるインフラ開発に対し高い関心が寄せられました。
JBICは、今後も質の高いインフラ投資を金融面から支援すべく、外部専門家の知見も活用しつつ日本企業が取り組む海外インフラプロジェクトへの支援を積極的に行っていきます。