JBICによるパネルディスカッションの様子
株式会社国際協力銀行(JBIC)は、2019年4月26日、Long-Term Investors Club(LTIC)、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)との共催で、LTIC年次総会及びD20 Conference Tokyo 2019を開催しました。
LTICは、持続可能な経済成長のためには、長期的な視点に立った投融資行動が重要であるとの認識の下、加盟機関におけるベストプラクティスの共有や長期投融資に係る研究調査の促進等を目的として、2009年に欧州の開発金融機関が中心となって設立された団体であり、日本からはJBICおよびDBJが加盟しています。
LTICは毎年、G20開催国において、加盟機関による年次総会を招集し、安定的な経済成長のための長期投融資にかかる最新の課題について議論し、課題解決に向けた提言を行っています。同時に、G20各国の開発金融機関(Development Finance Institutions: DFIs)等から構成されるD20 Conference(DはDFIsの頭文字)を開催し、長期投融資に関する様々な課題の共有や意見交換等を図っています。
今次D20 Conferenceでは、基調講演・パネルディスカッションを通じて、持続可能なインフラ開発や、社会的コストの低減に係るファイナンス支援のあり方等に関し、参加者からの提言や意見交換が行われました。
このうちJBIC総裁 前田 匡史からは、「社会的コストの低減とプロジェクト・バンカビリティ」をテーマとした基調講演が行われ、長期的視点に立った投融資により先進国を中心とした少子高齢化に伴う医療費の高騰やインフラの老朽化等、増加する社会的コストの低減を実現することや、電力インフラ等の整備において、先進技術を活用するプロジェクトを積極的に支援することで、そのバンカビリティを向上させることの重要性が示されました。
また、「再生可能エネルギー分野の技術の革新性とファイナンス支援のあり方」をテーマとしたパネルディスカッションでは、JBIC常務執行役員 弓倉 和久がモデレーターを務め、パネリストとして登壇した齋藤 英典 豊田通商株式会社再生・新規電力事業部長、ラジーブ・カナン 株式会社三井住友銀行執行役員およびマリア・ショーバラガン 欧州投資銀行 Global Partners Department部長によりエネルギーとモビリティの統合等再生可能エネルギー分野の動向やそれを支えるファイナンスのあり方につき議論が行われました。
今回のD20 Conferenceには、LTICの加盟機関以外にも、国内外の金融機関、日本の商社・メーカー等から150人以上の参加があり、長期投資に係る様々な課題に対し、各機関、各社から高い関心が寄せられました。
JBICは、今後もこうしたセミナー等の機会を通じた国内外のステークホルダーとの連携を強化しつつ、インフラ開発や社会的コストの低減といった社会的な課題解決に対して、ファイナンス面での支援を積極的に行っていきます。