- 地域: 中東
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- 保証
2010年11月4日
- 国際協力銀行(JBIC、経営責任者:渡辺 博史)*1は、11月2日にトルコの民間銀行デニズバンク(Denizbank A.S.)との間で、総額20百万ドルを限度とする事業開発等金融の貸付契約に調印しました。本件は、本年3月31日に「株式会社日本政策金融公庫法の一部を改正する法律」が施行されたことを受けて開始した地球環境保全業務(通称「GREEN」)*2の下でJBICが調印した初の融資案件です。本融資は、民間金融機関(株式会社三菱東京UFJ銀行(幹事行)、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほコーポレート銀行)との協調融資であり、民間金融機関の融資部分に対しては、JBICが保証を供与します。
- 本融資は、欧州復興開発銀行(EBRD)が、世界銀行の管理の下にある環境基金(Clean Technology Fund(CTF))とともにトルコ向けに設定しているTurkey Sustainable Energy Financing Facility(TurSEFF)*3との協調融資案件でもあります(別添:スキーム図)。また、EBRDとは先般GREEN等に関する業務協力のための覚書を結んでおり*4、本件は同覚書に基づく初めての融資案件ともなります。
- 本件は、トルコの有力地場銀行の一つであるデニズバンクが同国内で行う環境関連融資(エネルギー効率化事業や再生可能エネルギー事業等)に必要な資金を融資するものであり、トルコにおける温室効果ガスの排出削減等に資することが期待されます。トルコ政府は、世界銀行、国際金融公社(IFC)並びにEBRDとともに2009年1月に、上述のCTFを活用した同国における再生可能エネルギーやエネルギー効率化等のための投資計画を策定したほか、2009年8月には京都議定書の批准に至るなど、気候変動対策に積極的に取り組んでいます。本件による融資は、このようなトルコ政府の取り組みにも貢献するものです。
- JBICは今後も、日本及び国際経済社会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与するため、国際機関とも協調しながら地球環境保全に向けた取組み等を着実に実施していく方針です。
注釈
- *1 国際協力銀行(JBIC)は、株式会社日本政策金融公庫(総裁:安居 祥策)の国際部門です。
- *2 2010年4月1日付お知らせをご参照下さい。
- *3 EBRD及びCTFがトルコの地場民間金融機関向けに、トルコ国内の民間中小企業が行うトルコにおけるエネルギー効率化、再生可能エネルギー事業を支援するための協調融資プログラム。
- *4 2010年9月6日付プレスリリースをご参照下さい。