住友精密工業株式会社によるカナダ法人の買収資金を融資
海外展開支援融資ファシリティの一環として、日本企業の海外M&Aを支援

• 地域: 北米
• その他
• 投資金融

1. 株式会社国際協力銀行（JBIC、総裁：近藤 章）は、本日、「海外展開支援融資ファシリティ」^*1 の一環として、株式会社三井住友銀行及び株式会社三菱東京UFJ銀行の各民間金融機関との間で、住友精密工業株式会社（以下「住友精密工業」）による、カナダ法人Tecnickrome Aéronautique Inc.（以下「Tecnickrome社」）の買収に必要な資金の一部を融資する貸付契約を締結しました。
    
2. 本件は、JBICが各民間金融機関との間で締結済のM&Aクレジットライン設定のための一般協定に基づき、各民間金融機関を通じて融資を行うものです（買収総額約15百万カナダドル^*2 に対し、JBIC融資承諾額計約8百万米ドル限度）。
    
3. Tecnickrome社は航空機部品の表面処理加工事業をカナダにおいて実施しており、航空機部品に求められる多様な表面処理技術を保有するという強みを有しています。航空機部品の製造工程において表面処理加工は、製品の耐食性・耐摩耗性を高める上で重要な工程です。住友精密工業は中期経営計画において航空機用脚システム事業のGlobal Tier 1体制の実現を掲げており、日本拠点及び北米子会社であるSPP Canada Aircraft, Inc.を通じたグローバルな事業体制の拡充を目指しています。住友精密工業は本買収によって、今後ニーズの高まる各種の表面処理技術を獲得するとともに、サプライチェーン強化の一貫として、表面処理工程をカナダにも確保した上で、同国にて一貫した降着装置製造を可能とすることで、北米及び欧州の顧客に対してより柔軟で高付加価値のサービスを提供することを企図しています。
    
4. 本融資は、日本企業による海外でのM&Aに必要な長期外貨資金を本邦金融機関と連携して機動的に供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものです。
    
5. JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業による海外M&Aへの支援を行っていきます。

注釈

1. *1 2014年7月1日付お知らせをご参照下さい。
2. *2 約14百万米ドル相当です。