- 地域: アジア
- 環境
- 事業開発等金融
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:近藤 章)は、本日、フィリピン共和国(以下「フィリピン」)法人BDO Unibank, Inc.(以下「BDO」)との間で、融資総額50百万米ドル(うちJBIC融資分25百万米ドル)を限度とするクレジットライン(事業開発等金融に基づく与信枠)設定のための一般協定を締結しました。本クレジットラインは、国内の民間金融機関との協調融資によるものであり、民間金融機関の融資部分の一部に対してはJBICが保証します。
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本クレジットラインは、地球環境保全業務(通称「GREEN」)*1 の下で、フィリピンにおける再生可能エネルギー事業を対象に、温室効果ガスの排出削減等に資する環境関連案件に必要な資金を融資するものです。JBICがフィリピン向けにGREENの下で融資を行うのは、今回が初めてとなります。
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フィリピン政府は、同国が気候変動や自然災害に対し脆弱な島嶼国であることを背景に、2015年10月、COP21におけるパリ協定の合意に先立ち、自主的な約束草案であるIntended Nationally Determined Contributions(INDCs)を策定しました。その中で、2030年までに温室効果ガスの排出量を2000年~2030年までのBAU(Business As Usual)比で70%削減するとの数値目標を掲げる等、気候変動対策を積極的に進めています。こうした中、本融資は、フィリピンにおける温室効果ガス排出削減やフィリピン政府の環境政策の推進等に寄与することが期待されると共に、国際的に高く評価される日本の先進環境技術が同国に普及する一助となることも期待されます。これは、日本政府が2015年11月に発表した「美しい星への行動 2.0 (Actions for Cool Earth : ACE 2.0)」にも合致するものです。
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これまでもJBICとBDOは、2013年3月に、日本の地域金融機関を通じた中堅・中小企業のフィリピンへの進出支援体制の整備に係る覚書*2 を締結する等、協力関係を構築してきましたが、本クレジットラインは、環境関連分野を対象として、こうした両機関の連携を一層深めるものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、こうした地場金融機関とも連携しつつ、多様な金融ツールを活かした案件組成や、リスクテイク機能等を通じ、地球環境保全に向けた取り組みを金融面から支援していきます。
注釈
- *1 2010年4月1日付お知らせをご参照下さい。
- *2 2013年3月21日付プレスリリースをご参照下さい。