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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、15日、アラブ首長国連邦アブダビ首長国法人MOZ LNG1 FINANCING COMPANY LTDとの間で、融資金額30億米ドル限度(JBIC分)のプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、「成長投資ファシリティ*2」を活用し、アフリカ開発銀行(AfDB)、米国輸出入銀行(US-Exim)、英国輸出信用保証局(UKEF)、タイ輸出入銀行(Exim Thailand)及び民間金融機関21行との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は144億米ドルです。民間金融機関の融資の一部には、株式会社日本貿易保険(NEXI)、UKEF、伊外国貿易保険株式会社(SACE)、南アフリカ輸出信用保険公社(ECIC)及び蘭アトラディウス信用保険会社(Atradius)の保険又は保証が付されます。
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本プロジェクトは、三井物産株式会社及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が、フランス共和国法人Total S.A.、モザンビーク共和国(以下「モザンビーク」)法人Empresa Nacional de Hidrocarbonetos E.P.他と共同で、モザンビーク最北部カーボデルガード州沖合に位置するGolfinho-Atumガス田を開発し、原料ガスを陸上に建設する液化プラント(予定年間生産能力1,312万トン)まで海底パイプラインにて搬送し、液化天然ガス(以下「LNG」)等を製造・販売するものです。本融資は、本プロジェクトにおけるガス田の開発及びLNG等の生産に必要な資金を融資するものです。
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天然ガスは、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少なく、環境負荷の小さいエネルギーです。世界のLNG需要は、新興国での需要増加や環境意識の高まり等から、今後も増加することが予想されています。日本にとっても、2018年7月に日本政府が発表した「エネルギー基本計画」において、天然ガスの安定供給の確保が重要な政策課題とされています。本プロジェクトで生産されるLNGの約3割は、日本の電力・ガス会社が引き取る予定であり、日本にとって、初のモザンビーク産LNGの輸入となります。本融資は、日本にとっての重要なエネルギー資源であるLNGの長期安定確保・調達先の多角化に貢献するものです。
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また、2019年8月の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、質の高いインフラ投資が重要なテーマとして取り上げられ、日本政府は官民連携の上、アフリカ地域への支援を一層強化する方針です。JBICは、TICAD7の機会を捉え、「JBICアフリカ貿易投資促進ファシリティ」(通称「FAITH」)を更新し、FAITH3*5を創設しています。本融資はFAITH3の対象案件であり、日本政府のアフリカ向け取組方針に合致するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本にとって重要なエネルギー資源の確保に貢献するプロジェクトを金融面から支援していきます。
注釈
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2019年8月30日付お知らせをご参照ください。