株式会社国際協力銀行(JBIC)総裁の前田は、経済産業省及びアジア太平洋エネルギー研究センター(APERC)が主催し、2020年10月12日に開催する「LNG産消会議2020」に向けて、ビデオメッセージを寄せました。このメッセージは、「LNG産消会議2020」ホームページ上から視聴可能となっています。
LNG産消会議とは、生産国・消費国がLNGの長期的な需給見通しの共有と取引市場の透明化に向けた連携を図るプラットフォームとして、日本とカタールがホスト国となり、2012年より毎年開催している国際会議です。これまで、閣僚級を含め、世界約30ヶ国・地域から毎年1,000名以上が集い、LNGの市場が抱える課題や、より透明かつ持続可能な市場としていくために生産者や消費者がとるべき行動について、積極的な議論が行われてきました。第9回となる本年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、初めてオンライン形式で開催されます。
前田は、ビデオメッセージの中で、脱炭素化の潮流も踏まえた、柔軟なLNG市場の形成に向けたJBICの取組について、特に以下の3点に言及しました。
- ESG重視が不可逆的な流れである一方、脱炭素化に向けた移行(Transition)期間が必要であり、CO2の排出量が比較的少ないLNGの活用が、この期間においては重要である。
- 世界全体のCO2排出量削減に向けて、LNGへの転換を後押しすべく、エネルギー需要が旺盛なアジアを中心に、Gas to PowerやLNG受入基地等、LNG関連インフラ等の整備に積極的に取り組んでいる。
- LNG市場のさらなる発展のためには、価格体系の多様化、柔軟なLNGの供給、競争力のある価格、が鍵となる。特に、LNGを最大限活用するためには、再生可能エネルギーとの価格競争を意識する必要があり、競争力のあるLNG価格を実現させることが重要である。JBICは、LNGプロジェクトへの支援を通じて、柔軟なLNG市場の発展へ貢献していく。
日本は、LNG輸入に関し50年を超える歴史を有する、世界最大のLNG輸入国であり、JBICも、1970年代から世界各地のLNGプロジェクトをファイナンス面から支援してきました。JBICは、こうした知見も活かし、LNG市場の発展、ひいては日本のエネルギー安全保障に貢献すべく、積極的な支援を実施します。また、脱炭素化の潮流も踏まえ、水素に代表される次世代エネルギーや太陽光・風力・地熱といった再生可能エネルギープロジェクトの支援についても、積極的に取り組んでいきます。