株式会社国際協力銀行のコーポレート・ガバナンスについて
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
株式会社国際協力銀行(JBIC)は、株式会社国際協力銀行法(平成23年法律第39号)に規定されるJBICのミッション遂行や、企業理念の実現のため、業務の適正と効率を意識したコーポレート・ガバナンス態勢の構築に取り組んでいます。
国の関与について
JBICは、日本政府が全株式を保有する株式会社であり、株主としての国の統制のほか、主務大臣からの監督、国会による予算等の統制、会計検査院検査、主務大臣による検査、主務大臣の委任に基づく金融庁検査等の国の統制に服しています。
監督・評価と業務執行について
JBICにおいては、取締役会等による監督・評価の強化と、業務執行の機動性の向上等の観点から、会社法所定の取締役会、監査役会等の機関に加え、経営諮問・評価委員会、リスク・アドバイザリー委員会、サステナビリティ・アドバイザリー委員会、内部監査委員会、経営会議を設置し、さらに経営会議から委任を受ける各種の会議・委員会を設置しています。
- 取締役会
取締役会は、9名の取締役で構成し、うち3名を非業務執行取締役とし、さらにそのうち2名を会社法に規定する社外取締役としています。非業務執行取締役はJBICの代表取締役・業務執行取締役による業務執行の監視、監督を行い、JBICのガバナンス態勢向上に貢献しています。 - 監査役会
監査役会は3名の監査役で構成し、うち2名を会社法に規定する社外監査役としています。社外監査役は、常勤監査役とも連携のうえ、社外出身者の視点から取締役の業務執行を監査し、JBICのガバナンス態勢向上に貢献します。また、監査役の職務を補助する組織として、監査役室を設置しています。 - 経営諮問・評価委員会
経営諮問・評価委員会は、社外の有識者および社外取締役で構成し、JBICの業務および運営の状況や、JBICの経営に関して取締役会が諮問する事項等に関して評価・助言を行います。
経営諮問・評価委員会 委員一覧氏名 職業 浦田 秀次郎 早稲田大学 名誉教授
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)名誉顧問・特別上席研究員(特任)遠藤 典子 早稲田大学 研究院 教授 川村 嘉則 株式会社国際協力銀行 取締役(社外取締役) 小泉 愼一 株式会社国際協力銀行 取締役(社外取締役) 佐藤 康博 株式会社みずほフィナンシャルグループ 特別顧問 鈴木 一人 東京大学公共政策大学院 教授
公益財団法人国際文化会館 地経学研究所長十河 ひろ美 株式会社 ハースト・デジタル・ジャパン リシェス編集部 編集長
兼 エスクァイア・ザ・ビッグ・ブラック・ブック編集部 総編集長
信州大学 特任教授髙木 勇三 公認会計士 新浪 剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長 (五十音順、敬称略)経営諮問・評価委員会(第三者委員会)の評価について - リスク・アドバイザリー委員会
リスク・アドバイザリー委員会は、社外の有識者および社外取締役で構成し、JBICの大口与信先に係るリスク管理・審査の体制や、大型案件のリスクに関して取締役会が諮問する事項等に関して助言を行います。
リスク・アドバイザリー委員会 委員一覧氏名 職業 阿部 修平 スパークス・グループ株式会社 代表取締役社長 江原 伸好 ユニゾン・キャピタル株式会社 共同創業者 小川 英治 一橋大学 名誉教授
東京経済大学経済学部 教授川村 嘉則 株式会社国際協力銀行 取締役(社外取締役) 小泉 愼一 株式会社国際協力銀行 取締役(社外取締役) 佐々木 摩美 三井住友トラストアセットマネジメント株式会社 社外取締役 松田 千恵子 東京都立大学大学院経営学研究科 教授 横尾 敬介 株式会社産業革新投資機構 代表取締役社長CEO (五十音順、敬称略) - サステナビリティ・アドバイザリー委員会
サステナビリティ・アドバイザリー委員会は、社外の有識者で構成し、取締役会の諮問機関として、サステナビリティの実現に向けたJBICの取組推進に関する⽅針について助⾔を⾏います。
サステナビリティ・アドバイザリー委員会 委員⼀覧氏名 職業 高村 ゆかり 東京大学未来ビジョン研究センター 教授 Rachel Kyte タフツ大学フレッチャースクール 名誉学部長
オックスフォード大学ブラバトニック公共政策大学院 教授Tim Benton 英国王立国際問題研究所(チャタムハウス)環境社会プログラム ディレクター (敬称略) - 内部監査委員会
内部監査委員会は、代表取締役、取締役会長および社外取締役で構成し、取締役会の委任に基づき、内部監査に関する重要事項の決定・審議を行います。 - 経営会議
経営会議は代表取締役・業務執行取締役および全常務執行役員で構成し、取締役会からの授権に基づき、JBICの経営上の重要事項の決定・審議を行うことにより、JBICの機動的な業務執行を担います。なお、経営会議の諮問機関または同会議より一定の事項につき授権する機関として、以下の会議・委員会を設置しています。- 業務決定会議
経営会議からの授権に基づき、JBICの出融資保証等業務に関する重要事項(スタートアップ投資委員会で決定・審議を行う事項を除く。)の決定・審議を行います。 - スタートアップ投資委員会
経営会議からの授権に基づき、JBICのスタートアップ投資戦略の下で実施する出資等業務に関する重要事項の決定・審議を行います。 - 統合リスク管理委員会
経営会議からの授権に基づき、JBICの統合リスク管理に関する重要事項の決定・審議を行います。 - コンプライアンス・顧客保護等管理委員会
経営会議からの授権に基づき、JBICのコンプライアンスおよび顧客保護等管理に関する重要事項の決定・審議を行います。 - 人事委員会
経営会議からの授権に基づき、JBICの人事に関する重要事項の決定・審議を行います。 - ALM委員会
経営会議および統合リスク管理委員会からの授権に基づき、JBICの資産負債管理(ALM)に関する重要事項の審議を行います。 - 情報セキュリティ・ICT推進委員会
経営会議からの授権に基づき、JBICの情報資産の利用・管理および情報セキュリティに関する重要な事項ならびに取締役会および経営会議で決定した情報通信技術(ICT)に係る計画・方針等に基づく各種施策その他ICT関連事項に関する部門横断的な事項の審議を行います。 - サステナビリティ委員会
経営会議からの授権に基づき、サステナビリティ推進に関する方針その他のサステナビリティ推進に係る重要事項の審議を行います。
- 業務決定会議
部門制について
JBICでは、JBICの業務における各分野・セクターにおけるノウハウや専門性を集約化することで案件組成能力を高め、JBICのミッションのより機動的、戦略的な遂行を図るため、部門制を導入しています。
具体的には、企画部門、審査・リスク管理部門、財務・システム部門、資源ファイナンス部門、インフラ・環境ファイナンス部門、産業ファイナンス部門およびエクイティファイナンス部門を設置し、各部門の下に専門性を持った部を設置しています。
各部門については担当取締役を置くとともに、各部門の長には取締役または常務執行役員が就任し、各部門は部門長の指揮の下で一体的に運営され、業務の機動性・効率性の向上を図っています。
内部統制基本方針について
JBICは、会社法に則り、子会社を含むJBICグループの業務の適正を確保するための体制の整備等について、内部統制基本方針を取締役会決議により定め、当該基本方針に基づき、内規の制定その他体制の整備を行っています。
コンプライアンス(法令等遵守)について
JBICは、行動原則の一つに「倫理観と遵法精神。JBICの一員としてモラルを持ちつづけます。」を掲げています。こうした行動原則に基づき、JBICは内部統制基本方針の下、コンプライアンスに関する内部規程の策定、遵守等を定めるとともに、法令等の遵守に関する基本方針を以下のとおり定めています。
- 役職員等は、国際的業務を行う政策金融機関であるJBICが社会的・国際的に求められる公共的使命および社会的責任を自覚し、かつ、役職員等による法令等の違反行為の発生が、JBIC全体の信用の失墜を招き、JBICの業務運営に多大な支障を来すことを十分認識した上で、常に法令等を遵守し、公正な業務遂行に努めなければならない。
- 役職員等は、JBICが業務内容について国民に対する説明責任を有することを認識し、適切な情報開示を行うこと等により国民からの信頼確保に努めなければならない。
- JBICは、反社会的勢力と一切の関係を持たず、反社会的勢力に対しては、組織全体として対応し、毅然とした態度で臨むとともに、反社会的勢力からの不当な要求を断固として拒絶することが、JBICに対する公共の信頼を維持し、JBICの業務の適切性および健全性の確保のために不可欠であることを認識し、警察等関係機関とも連携して適切な対応を行う。
法令等遵守態勢
JBICは、上記基本方針に則り、以下のとおり法令等遵守の徹底に取り組んでいます。
コンプライアンス・顧客保護等管理委員会を中心に、コンプライアンスへの取り組みを推進し、コンプライアンスの統括部署として法務・コンプライアンス統括室を設置しています。
各部門および地域統括の海外駐在員事務所にはコンプライアンス統括オフィサー、各部室および海外駐在員事務所にはコンプライアンスオフィサーを置き、職員のコンプライアンスに対する意識の醸成等、各部門等におけるコンプライアンスへの取り組みを推進しています。
JBICでは、コンプライアンス・マニュアルを制定し、役職員に対するコンプライアンス研修等を通じて周知しています。こうしたコンプライアンスにかかる態勢の整備や研修等を実施するために、年度ごとにコンプライアンス・プログラムを策定し、進捗状況や達成状況のフォローアップを行っています。
また、コンプライアンスに関する重要な事実を早期に発見し必要な是正措置を講ずることが可能となるよう、通常の業務ラインによる報告ルートに加え、内部通報制度を整備し、これを適切に運営しています。
内部監査について
JBICは、業務全般の内部管理態勢について、その適切性・有効性を評価し、改善への提言等を行うため、適切な内部監査態勢を構築しています。業務執行を担う経営会議から独立した意思決定機関として内部監査委員会を設置し、社外取締役を構成員に加えています。また、業務執行部門から独立した総裁直属の部署として監査部を設置しています。
監査部は、内部監査の効率的な実施のため、監査役および会計監査人と必要な情報交換および連携を行います。