個別案件の初期段階において当該個別案件に関する調査を行い、または個別案件に結びつきうる地域やセクターに絞った調査を行うことは、潜在的な優良案件を発掘する方法として有効であり、当該案件に対する日本からの資機材・サービスの輸出や日本企業の参画の機会の拡大に結びつくことが期待されます。
JBICでは、以下につながる案件の実現に必要な調査を実施しています。
- 日本にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進するもの。
- 日本の産業の国際競争力の維持及び向上を図るためのもの。
- 国際金融秩序の混乱への対処に係るもの。
なお、調査業務に関しては、従来、半期ごとに候補となるプロジェクトの情報を収集するためのアンケートを実施してきましたが、2008年10月より随時受け付ける形に変更いたしました。調査対象のご紹介等につきましては、お問い合わせ先一覧に掲載されている担当窓口までご確認ください。
調査の内容及び対象
- 調査の際は、案件実施国等に人材を派遣し、案件の実現に必要な技術・金融・法制等の側面を調査した上で、調査結果を報告書としてまとめます。
- 調査は、個別案件のマスタープラン作成、Pre-F/S、F/S(フィージビリティー・スタディ)及びFEED(Front End Engineering Design)や、個別案件に結びつく地域及びセクターに関する調査等、案件の実現に必要なあらゆる段階を対象とします。
- なお、調査完了後、最低年に一度は案件の進捗状況についてフォローアップの確認を行います。
調査の流れ
調査は、以下の順で行います。
- 調査対象の選定
- 調査を行う業務委託先の選定
- 調査の実施
- 調査報告書の完成
- フォローアップ
調査対象の選定
調査対象は、その時々の対象地域・セクターを取り巻く環境や、JBICの果たすべき役割を考慮しつつ、上記の目的の観点から当該調査を実施することが必要かつ有効と考えられるようなものを選定します。
その際、以下の要件を満たすことが選定の前提となります。
- 以下のいずれかが、相当程度の蓋然性をもって見込まれること。(以下、あわせて「輸出・参画等」といいます。)
- (1)個別案件への日本からの資機材・サービスの輸出
- (2)個別案件への日本企業の参画(事業権落札、権益取得・維持、資源長期購入契約締結・更新等)
- 上記の輸出・参画等が実現した場合に、JBICの輸出金融、輸入金融、投資金融または出資の利用が見込まれること。
- 日本からの輸出を支援するための調査と判断されうる場合においては、相手国における案件実施主体または相手国政府(地方政府、政府機関を含む。)からの調査要請があること。
調査対象のご紹介等は随時受け付けておりますので、お問い合わせ先一覧に掲載されている担当窓口までご確認ください。
調査を行う業務委託先の選定
業務委託先の選定は、原則として以下の流れで行います。
- 選定された調査対象の業務委託に関する公告。
(調達情報のページにて、業務委託に関する関心表明書の募集について10日間程度公示します。) - 関心表明書を提出頂いた業務委託候補先(以下「候補先」といいます。)に対する説明会の実施。
- 候補先からのプロポーザルの受領。
- プロポーザル評価による候補先の絞込み。以下の項目を中心にプロポーザルを評価します。
- (1)プロポーザル提出企業の実績
- (2)調査の実施方針、実施計画・工程
- (3)円滑な調査遂行に必要な実施主体との関係評価
- (4)調査従事予定者
- 上記の評価で基準を満たした候補先との業務委託契約の交渉・締結。最も評価が高かった候補先を第一候補として選定いたします。