株式会社国際協力銀行
2023年12月22日に閣議決定された令和6年度予算(政府案)のうち、株式会社国際協力銀行(JBIC)についての概要は以下のとおりです。
1.令和6年度事業規模
(単位:億円)令和6年度予算額 |
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28,600 |
2.政府予算案におけるJBIC業務のポイント
JBICは、2021年6月に策定した第4期中期経営計画(2021~2023年度)において、(1)「国際経済社会の持続可能な発展に向けた地球規模の課題への対処」、(2)「産業・社会構造の変革下における我が国産業の国際競争力強化支援」、(3)「質の高いインフラ海外展開に向けた戦略的取組の推進」、及び(4)「経済情勢の変化に即応した政策金融機能の発揮」を業務における重点取組課題として設定しています。
また、日本経済を取り巻く国際情勢の変化等を踏まえ、2023年4月に株式会社国際協力銀行法が一部改正され、日本の産業の国際競争力の維持・向上に資するサプライチェーンの強靱化への支援や、スタートアップ等の日本企業の更なるリスクテイク推進、国際協調によるウクライナ復興支援への参画を可能とするための機能強化がなされています。かかる機能強化や2022年7月以降実施している「グローバル投資強化ファシリティ」の活用等を通じ、政策金融機関としてJBICに求められる役割を果たすべく、以下のとおり個別の取組を着実に進めていきます。
(1)国際経済社会の持続可能な発展に向けた地球規模の課題への対処
脱炭素化の実現とエネルギー安全保障の両立、極端な気候現象、食料問題といった、持続可能な発展に影響を与える地球規模の諸課題への対処を念頭に、グローバルサウスを含む諸外国政府・機関へのエンゲージメントや、各国の事情に適したカーボンニュートラルを含むサステナビリティの実現に向けた支援を強化していきます。
(2)産業・社会構造の変革下における我が国産業の国際競争力強化支援
法改正により強化された機能等も活用しつつ、複雑化する国際情勢下での戦略的・俯瞰的なサプライチェーン分析や、日本企業のサプライチェーンや産業基盤を支える外国法人へのエンゲージメントを行い、日本の経済安全保障に資するサプライチェーン強靱化を支援していきます。また、課題解決に不可欠なイノベーションの源泉となる日本のスタートアップ企業や中堅・中小企業の技術の活用、世界のスタートアップ企業と日本企業の協業機会の創出にも挑戦していきます。
(3)質の高いインフラ海外展開に向けた戦略的取組の推進、経済情勢の変化に即応した政策金融機能の発揮
日米豪印(Quad)・日米豪連携、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の推進に代表される多国間連携を通じ、経済安全保障やサステナビリティの実現と共に、質の高いインフラ海外展開も含めた日本企業の国際競争力強化の支援を行っていきます。また、欧州復興開発銀行(EBRD)や諸外国の開発金融機関(DFI)等と本行が立ち上げを主導した「ウクライナ投資プラットフォーム」や法改正によって新たに可能となった国際機関向けの保証業務も活用し、ウクライナや周辺国向け支援にも対応していきます。