2022年9月23日、株式会社国際協力銀行(JBIC)は、ベトナム国会の対外委員会から招待を受け、同委員会が主催する国際ワークショップ“International Experience in Energy Development for National Sustainable Development Goals”にスピーカーとして参加しました。
本ワークショップは、在ハノイの外国政府・企業、国際機関等から、①持続的発展に貢献する他国のエネルギー開発実例を学び、②ベトナムのエネルギー移行に貢献する国際的な経験共有や支援に繋げ、③ベトナム国会での今後の法的枠組み整備の参考とすること等を目的に開催され、約80名が参加しました。

JBICからはハノイ駐在員事務所首席駐在員の安居院徹が登壇し、「ベトナムの現実的なエネルギー移行及びカーボンニュートラル実現に向けたJBICと日本の支援」と題する講演を行いました。日本企業による大型発電施設や屋根置き太陽光発電設備など、JBICによるベトナム電力セクターへの支援は、ベトナム全体の総発電容量の約1割に達していることに触れた上で、日本政府が提唱する「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を紹介しました。今後は日本の脱炭素技術の導入支援を検討する旨を、国会関係者に伝えました。これに対し、本ワークショップ議長を務めたグエン・マイン・ティエン国会対外副委員長からは、「日本の力強い支援と示唆に富む提案に感謝。今後もJBICの支援スキームを幅広く展開頂きたい」とのコメントがあり、日本企業やJBICに対して高い期待が寄せられました。

他の海外関係者の登壇内容も多岐にわたり、米国・豪州大使館やEU代表部からは各国エネルギー政策動向、米国企業AESからはガス火力の重要性とLNG市場展望、豪州企業Corio Generationからは洋上風力の政策・法的枠組みについて、それぞれ紹介および提言がありました。また、世界銀行からはエネルギー移行の国際的な経験と提言、アジア開発銀行からはエネルギー移行メカニズム(ETM)による支援手法が紹介されました。ベトナム政府側からも、商工省、天然資源環境省、計画投資省及びベトナム電力公社が出席し、電力開発全般、再生可能エネルギー開発、投資促進制度や電力供給動向等の説明がされました。
最後に、議長のティエン国会対外副委員長から「ベトナムが2050年カーボンニュートラルという大目標をいかに実現すべきかについて、有益な情報や示唆を頂き感謝。国会にとってエネルギー移行は新しいアジェンダであり、今後の法制度整備などの参考としたい」との謝意が表明されました。
JBICは今後も日本の公的金融機関として、ベトナム政府や共産党に加えて、近年その重要性を増す同国国会とのリレーションも強化しつつ、日本企業の海外でのビジネス拡大に向けた投資環境改善に貢献するべく、政策対話等に積極的に取り組んでいきます。
