



株式会社国際協力銀行(JBIC)は、2023年3月20日にベトナム社会主義共和国・ハノイにて、3月21日にはタイ王国・バンコクにて、「脱炭素・EVセミナー」に講師として参加しました。本セミナーは、株式会社横浜銀行、株式会社京都銀行及び株式会社広島銀行が、両国へ進出する企業を対象に、自動車産業のEV化による産業構造の変化や、サステナブルな事業の構築に向けた情報提供及び交流機会の提供を目的として共催したものです。
セミナーでは、はじめに株式会社伊藤忠総研上席主任研究員の深尾 三四郎氏が、「スマホ化する自動車~脱炭素化が進むアジアのEVシフト加速とアップルカー登場に備える~」と題した講演を行いました。深尾氏は、モビリティにおけるブロックチェーンや分散台帳技術に精通し、こうした技術の普及・標準化を推進する国際コンソーシアム・非営利組織において理事を務められている他、国内外の金融機関にて自動車産業のアナリストとして長く携わった経験に基づき、脱炭素やEVシフトの潮流につき解説されました。
続いて、JBICハノイ駐在員事務所首席駐在員の安居院徹(ベトナム)及びバンコク駐在員事務所首席駐在員の宮口知之(タイ)が、「サステナビリティ実現に向けて~ベトナム/タイの動向と JBIC の取組ご紹介~」と題して講演を行いました。アジア諸国では、EVシフトに加え、電源全体に占める再エネ比率の引き上げ等を通じ、脱炭素化に取り組む方針が示されている中、JBICの支援実績として、ベトナムの日系工業団地における屋根置き太陽光発電事業への融資、また、地域金融機関との連携により実現した、中東の国際送電事業向け融資や航空分野のトランジション・リンク・ローンなど、ホスト国及び産業の脱炭素化に資する多様な案件事例を紹介しました。さらに、今後については、2023年3月初に日本政府が主導して発足した多国間枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」の下、アジア各国の実情を踏まえた現実的なエネルギートランジションを支援する旨にも触れました。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、エネルギー分野をはじめ、ベトナム及びタイにおけるサステナブルな成長を実現するため、今後も現地政府や地域金融機関等とも連携して日本企業の海外でのビジネス拡大に向けた情報発信等を積極的に行って参ります。