



2023年10月4日(水曜日)、「ポーランド投資セミナー:ポーランドの優遇支援~エネルギー・インフラ投資とウッチ経済特区について」と題するセミナーが開催されました。本セミナーは、日系企業によるポーランド進出をサポートするフォルタク&カラシンスキ法律事務所と一般財団法人海外投融資情報財団(JOI)が主催し、駐日ポーランド共和国大使館、ウッチ経済特区、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)および株式会社国際協力銀行(JBIC)の後援により実施されました。JBICからは、インフラ・環境ファイナンス部門 電力・新エネルギー第1部 第1ユニット長の杉本 崇が講演を行いました。
本セミナーでは、はじめにパヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使よりご挨拶を頂戴しました。ポーランドは、安定した経済成長を達成すると共に、欧州地域の中心に位置する地理的優位性を背景に、製造業だけでなくサービス業や先端技術などで有望な投資先として注目を集めています。国内産業の高度化・多様化を通じて、更なる経済成長が見込まれるポーランドにおいて、日本企業が進出するメリット、ポーランドと日本における投資や貿易分野での二国間協力の動き、ウクライナ復興支援についてお話いただきました。
次に、JETRO調査部の前田 篤穂主任調査研究員より「ポーランドの投資動向~日系企業の視点で~」と題して、ポーランドの経済や投資動向、日系企業の関心や投資ビジネスのトレンドなど、主要産業の投資事例を交えて解説いただきました。
続いて、フォルタク&カラシンスキ法律事務所ファンディング・パートナーのスワボミール・カラシンスキ弁護士より「ポーランドの投資動向、日系企業によるEU基金の活用、エネルギー・インフラ投資について」として、ポーランドの経済状況や投資の動向、経済特区での優遇支援や日本企業が活用できる基金、三海域(バルト海、 黒海およびアドリア海)イニシアティブファンドの概要やウクライナのインフラ再建計画についての情報、ポーランドのエネルギー政策および再生可能エネルギーにおけるビジネスチャンスについてご説明いただきました。また、ウッチ経済特区からは、投資誘致・投資サービス部のパヴェウ・クリムチャク次長より、ポーランドの投資地区や優遇支援制度について、同じくイノベーション部のプシェミスワフ・ノヴァコフスキ氏より、ポーランドでのスタートアップの活動状況や支援環境についてご紹介いただきました。
次に、株式会社日新 グローバル戦略部 欧米室の大瀧 桂一朗室長より「ポーランド日新の物流ビジネスについて」と題して講演を頂戴し、同社がポーランドに進出した理由やポーランド企業との事業展開、また同国の物流インフラプロジェクト(航空・海上・陸路輸送)や物流事業の発展性についてご紹介いただきました。
最後に、JBIC杉本より「ポーランドにおける業務展開について」講演を行いました。ロシアのウクライナ侵略を受け、ポーランドを取り巻く環境は大きく変わりましたが、こうした変化をビジネス機会につなげる動きが加速しています。エネルギーの安定供給を確保しつつ、脱炭素化を進める気候変動政策へ協力するため、再生可能エネルギー、送配電セクターでのビジネス機会について説明しました。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の開発拠点として、産業オートメーションや最適化分野でスタートアップ企業が多数誕生していることにも触れました。JBICは、日本企業によるポーランド進出支援に加え、ウクライナを含む第三国向けビジネス支援を強化しています。ポーランドを通じたウクライナ復興支援、現地におけるサプライチェーン構築支援など、これまでの枠組みを超えた取り組みにも挑戦しています。さらに、JBICは中東欧地域のスタートアップ企業に投資を行うファンドへの出資を通じて、同地域におけるスタートアップ企業と戦略投資家である日本企業との事業提携・資本提携等の促進や日本企業のDX支援にも努めています。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、脱炭素やイノベーション分野をはじめ、ポーランドの経済成長を実現するため、今後も、現地政府、地場金融機関等とも連携して日本企業の海外でのビジネス拡大に向けた情報発信等を積極的に行っていきます。