株式会社国際協力銀行(JBIC)は、インド外務省とAnanta Centre(Ananta、ニューデリー)*1が主催する第3回India‐Japan Forum(日印フォーラム)への招待を受け、参加しました。日印フォーラムにはJBICから総裁の林、インド政府からスブラマニヤム・ジャイシャンカル外務大臣やニルマラ・シタラマン財務大臣をはじめとする日印産官学界から多数の要人が登壇しました。日印フォーラムは、日印のリーダーの協力を通じた日印間の戦略的パートナーシップ構築のためのプラットフォームを提供することで、日印連携の促進や、相互信頼を築くことを目的として開催されています。
林は、ディーパ・ゴパラン・ワドワ元駐日インド大使との対談において、インドの成長ポテンシャルに言及しつつ、インド政府が推し進める「Self-Reliant India」政策に関連するサプライチェーン強靱化に貢献するマルチスズキなどの日系企業への支援や、エネルギーの自立に資するインド政府系金融機関のPower Finance Corporationへの支援について発言しました。また、インドの環境保全への貢献、日系企業の対印投資の促進、日印企業間の協同機会の創出を通じた日印関係の深化に資することを目的としてJBICとインド政府が出資し設立した日印ファンドを紹介しました。そして、JBICは、インド産業回廊開発公社に26%を出資する株主として、インド政府がハイテク産業の集積地として最優先で開発を進めるグジャラート州ドレラ特別投資地域への現場視察ツアーや講演会の開催を通じた日本の半導体関連企業およびインド半導体エコシステムの確立への多角的な支援を行っている旨を述べました。その後の参加者との質疑応答においては、インドが育成に注力しているグリーン水素分野における日本企業とインド企業の協業促進に対する支援など、活発な意見交換がなされました。
また、JBICニューデリー駐在員事務所首席駐在員の栗原がモデレーターを務めた半導体分野に関するパネルディスカッションでは、TATA Electronics Private LimitedのCEOであるランディール・タクール氏とRenesas Electronics India Pvt. Ltdから国内統括責任者であるマルニ・ナラヤンモールティ氏が登壇し、日印連携による半導体サプライチェーン構築に向けた積極的な議論が行われました。
JBICは今後も日本の公的金融機関として、相手国政府や公的機関、現地シンクタンク等との強固なリレーションを活用し、日本企業の海外でのビジネス展開および投資環境改善に貢献すべく、積極的に取り組んでいきます。

注釈
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インド・ニューデリーに活動拠点を置き、民間企業等からの寄付・協賛により運営されている超党派シンクタンク。主にリーダーシップ、教育、国際関係、公共政策等のインドの発展と国家安全保障にとって重要な問題に関するプラットフォームを積極的に提供している。