2025年4月14日、株式会社国際協力銀行(JBIC)の前田取締役会長および関根常務執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長は、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相およびハッサン・マリカン首相政策アドバイザリー委員会会長と会談しました。
JBICは、ASEAN各国がエネルギートランジションをより効率的、効果的に達成していくためにASEAN Power Grid(以下「APG」)が重要な取り組みであると認識しており、APGの実現に向けたマレーシア政府やその他のASEAN諸国の活動を支持しています。2025年のASEAN議長国であるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相との会談においても、エネルギートランジション、特にAPG実現に向けた取り組み等について意見が交わされました。
APGは、ASEANにおいて広域な電力融通を可能とする電力網整備構想であり、陸上・海底送電線の敷設や増強を通じて、域内の電力取引拡大、特に再生可能エネルギーの開発・活用促進を目指すものです。APGは、域内におけるグリーン電力の有効活用につながり、この地域におけるエネルギートランジション実現の大きな手段となります。
ASEANでは、2025年エネルギー分野の年次優先事項の1つとして、APGが掲げられており、同年1月には「エネルギーに関する特別高級実務者会合(SOME 2025)」および関連会合が開催され、APG Enhanced MOU等が承認されています。
日本政府は、日本企業が強みを持つ技術・知見を活かしながらエネルギートランジションに向けたアジア各国の取り組みに対して支援・協力する枠組みとして、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を掲げており、JBICとしてこの取り組みを強力に推進する中、APGはこれに合致する取り組みです。
JBICは、日本政府と連携しながら、送電関連機器の製造・運用やPPP形式での国際送電事業のノウハウを有する日本企業とともに、マレーシア政府を始めとしてASEAN各国とのエンゲージメント向上を図りつつ、APGの実現に向けて政府・関係機関と協働していきます。
