2026年6月14日、大東文化大学で開催されたアジア政経学会2026年度春季大会において、JBIC外国審査部の谷村真参事役・シニアエコノミストが研究報告を行いました。
貿易取引では、価格をどの通貨で表示するか(インボイス通貨)と、実際に支払いに使う通貨(決済通貨)は必ずしも一致しません。本研究では、この「インボイス通貨」と「決済通貨」の二つを区別した上で、人民元において決済利用がインボイス利用を上回る要因を分析しました。
その結果、決済利用は、香港オフショア人民元の流動性、制裁環境下での既存の利用実績、中国中心の貿易構造といった要因と関連する一方、インボイス利用は過去の利用慣行に規定されることが判明しました。
加えて、相手国別にみると、人民元利用基盤がすでにある国において、クリアリング銀行(当該通貨の国際決済を円滑に行うために、送金・資金のやり取りを仲介・清算する中核的な銀行)の存在や制裁環境が、インボイス通貨としての人民元利用の拡大につながっていることを報告しました。





