株式会社国際協力銀行(JBIC)のハノイ駐在員事務所は、8月21日に、東京大学の学部生・大学院生計18名の訪問を受け、ベトナムの経済・社会課題および日本企業・JBICの現地活動に関する講義や、参加された学生との意見交換を実施しました。
背景
東京大学では、2012年度から、今までの生活と異なる文化・価値観に触れる体験型教育プログラムを実施しており、ベトナムは国際交流体験における活動先の一つとなっています。ハノイでの体験プログラムでは、日系企業や公的機関のほか、ハノイ法科大学等が訪問先となり、JBICでは昨年度に続く2回目の訪問受入となりました。
当日の模様
講義では、JBICインフラ・環境ファイナンス部門審議役(ベトナムおよびASEAN広域連携担当チーフアドバイザー)兼ハノイ首席駐在員の安居院より、現地駐在7年半で得た知見に基づき、①急成長するベトナム経済と日本企業にとっての魅力、②高所得国入りへ向けたベトナム側の新たな施策と日本企業が直面する課題、③JBICとして、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の下、日越官民対話をリードし、投資環境改善とエネルギー案件支援を進めていることなど、豊富な事例を交えつつ、日越間の経済関係を見ていく上での幾つかの視点を解説しました。
学生との質疑応答では、「ベトナムへのインフラ融資を判断する際、日本の経済的利益とベトナムの開発ニーズをどのように両立させているか」、「JBIC駐在員として、現地政府や外資企業との交渉で意識する信頼関係構築のポイントは」、「民間金融機関とは異なる仕事のやりがいは」など、JBICの活動にも多くの関心が寄せられました。
また、講義後には学生から次のような声を頂戴し、ベトナムの現状・課題への問題意識や、日本企業やJBICなど公的機関がどのように現場で取り組んでいるのかの解像度を高めていただいたことが伺えました。
- ベトナムの経済、外交、政治状況を、包括的に学ぶことができて大変よかった。コロナ前、コロナ禍から現在に至るまで、長期的な政府の視点での話がとても興味深く、勉強になった。
- ベトナムが外交・経済面でどのような可能性を秘めているのか、グラフを用いて分かりやすい説明があり、理解が深まった。特に、中所得国の罠に陥らないため、今後ベトナムやJBICが果たすべき役割について、実践的な議論ができた。
- JBICの調査結果から得られる定性・定量データを元に、ベトナムの特徴や課題、日系企業の状況が大変よく分かった。法制度が日本より整っていない中、いかに上手くビジネスを進めていくか、生の話を聞くことができ、とても興味深かった。
- 政府系金融ならではの投融資に対する判断軸、国益や将来を考えた目線が印象的だった。事例が多く、抽象的な課題をどのように落とし込んで、現場で実施していくのかイメージができた。特に、エネルギー、ゼロエミッションのアプローチが印象に残った。
JBICは、海外駐在員事務所の幅広い現地ネットワークを生かして、ホスト国政府・産業界との政策対話、案件形成、調査等を行う中で、各国・地域の知見を日々蓄積しています。こうした知見を活用して、金融面の支援に加え、日本企業への現地情報・助言の提供や、学生・大学関係者とのナレッジ共有にも取り組み、ベトナムなどホスト国と日本との経済・投資面の橋渡しにも積極的に貢献してまいります。






