株式会社国際協力銀行(JBIC)のハノイ駐在員事務所は、8月25日に、早稲田大学政治経済学術院の戸堂康之教授および学部ゼミ生計14名の訪問を受け、ベトナムの経済・社会課題および日本企業・JBICの現地活動に関する講義や、参加された学生との意見交換を実施しました。
目的
戸堂ゼミでは、国際経済学・開発経済学・日本経済論の見地から、⽇本企業とグローバルサウスの連携深化によるサプライチェーン強靱化や事業拡⼤、そのための公的投融資を含む政策的支援に関心を持ち、研究活動を行っています。その一環として、今年度の海外研修ではベトナムを視察し、JBICを含む公的機関、日系工業団地、ベトナムの大学等を訪問することとなりました。
当日の模様
講義では、JBICインフラ・環境ファイナンス部門審議役(ベトナムおよびASEAN広域連携担当チーフアドバイザー)兼ハノイ首席駐在員であり、また、早稲田大学ベトナム総合研究所の招聘研究員も務める安居院より、現地駐在7年半で得た知見に基づき、①急成長するベトナム経済と日本企業にとっての魅力、➁高所得国入りへ向けたベトナム側の新たな施策と日本企業が直面する課題、③JBICとして、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の下、日越官民対話をリードし、投資環境改善とエネルギー案件支援を進めていることなど、豊富な事例を交えつつ、日越間の経済関係を見ていく上でのいくつかの視点を解説しました。
学生との質疑応答では、①JBICでの案件形成の優先順位・判断軸など考え方、➁地場・他国企業との競争が激化する中での日本企業の進出支援のあり方、③AZEC構想や越側の電源開発計画に合わせ、ガス・LNG火力発電や再エネ発電をいかにバランスよく推進するかなど、活発な意見交換がなされました。
また、講義後には学生から次のような声を頂戴し、ベトナム経済の現状、企業が抱える課題、JBICの役割・活動についての生の情報が、ゼミでの研究活動を進める上でのさらなる現場理解や問題意識を深める参考としていただけたことが伺えました。
- ベトナムの経済や政策の話を講義で聞いた上で、実際に現地の街や企業の様子を目にする中で、ベトナムの成長の勢いをより強く実感できた。また、その後の訪問で得た知見と結びつけて考えることで、ベトナムを取り巻く環境や日本との関係についても、より立体的に理解できた。
- 講義を聞いて、日本が今後、ベトナムでどのようにプレゼンスを発揮していくかに問題意識を持った。他国との経済的な結びつきが強まる中、「日本だからこそ提供できる価値とは何か」との視点を持って、現地を見ることができた。
- AZECなど脱炭素分野で、実際の現場だからこそ生じる課題を伺い、国際的な目標を掲げるだけでなく、それを実現可能な事業へとつなげることの重要性を学んだ。JBICが日本企業の海外展開支援だけでなく、民間資金を呼び込み海外事業を後押しする「触媒」の役割も果たしていることを理解できた。
JBICは、海外駐在員事務所の幅広い現地ネットワークを生かして、ホスト国政府・産業界との政策対話、案件形成、調査等を行う中で、各国・地域の知見を日々蓄積しています。こうした知見を活用して、金融面の支援に加え、日本企業への現地情報・助言の提供や、学生・大学関係者とのナレッジ共有にも取り組み、ベトナムなどホスト国と日本との経済・投資面の橋渡しにも積極的に貢献してまいります。






