多様な専門家が率直に議論する環境があり 多角的な視点から経営をチェックできる
私は、旧・住友銀行(現・三井住友銀行)に入行以来、一貫して金融業界でキャリアを積み、同行の副頭取、三井住友ファイナンス&リース(株)の代表取締役社長として経営に携わりました。JBICとはプロジェクトファイナンス等で協調したほか、JBIC同様政府系金融機関である(株)日本貿易保険の設立の際に政府の有識者委員を務めた経験もあります。そのような経験を経て、2018年からJBICの社外取締役を務めています。
私に求められている役割は、民間金融機関の視点を経営に届けることだと考えています。政策金融機関であるJBICは、日本の政策や国益を担う重要な使命があります。一方で、収支相償を求められているため、出融資の判断やリスク管理には、民間金融機関と同様の視点が欠かせません。そのため取締役会では、「民間ならどう判断するか」「市場はどう受け止めるか」を常に意識しながら意見を述べています。多様な視点を示すことが、社外取締役の重要な役割だと考えています。JBICのガバナンスで私が特に評価しているのは、社外取締役が十分な情報を得た上で、率直に議論できる環境を整えている点です。経営陣との個別面談や担当部署からの案件説明、国内外の視察等を通じて、現場や事業への理解を深められています。また、監査役との情報共有も密で、多様な立場から経営をチェックできる体制が構築されています。私は取締役会以外にも、内部監査委員会や経営諮問・評価委員会、リスク・アドバイザリー委員会に参画しています。専門性を持つ多様なメンバーが活発に意見を交わし、その知見を経営に反映していく文化は、JBICならではの強みだと感じています。
変化する世界で求められるJBICの役割を認識し、民間視点を伝え続ける
私が社外取締役に就任した2018年と比べ、現在ではJBICに求められる役割が大きく変化しています。特に近年は、日本企業の国際競争力の強化に加え、サプライチェーンの再構築、スタートアップ支援、戦略分野への投資支援等、政策金融機関として担う使命は一層重くなりました。これに伴い、案件は以前にも増して複雑化し、政策的な意義と収支相償の考え方をどう両立させるかという難しい判断も求められています。こうした状況だからこそ、社外取締役として、「民間ならどう考えるか」という視点を示し続けることが大きな意味を持つと考えています。また、複雑化する環境に対応するためには、人材への投資や業務の効率化も重要です。優秀な人材が能力を最大限に発揮できる処遇や環境を整え、迅速で質の高い意思決定体制を強化していくことが、これからのJBICにはますます求められるでしょう。業務効率化の面では、業務プロセスのスリム化に対する意識が着実に浸透していると感じています。
私自身も長年培った知見を生かし、社外取締役として率直な意見を伝えることで、日本企業と国際社会の発展を支えるJBICのさらなる価値向上に貢献していきたいと考えています。
株式会社国際協力銀行
社外取締役 川村 嘉則





