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2006年3月3日
- 国際協力銀行(総裁:篠沢恭助)は、2日、サウジアラビア王国法人Rabigh Refining and Petrochemical Company(ペトロ・ラービグ社)との間で、同国西岸のラービグ地区における世界最大級の石油精製と石油化学との統合事業であるラービグ石油精製・石化プロジェクトを対象として、25億米ドルを限度とするプロジェクトファイナンス・ベース*1の貸付契約に調印しました。本融資は、当行にとって初めての、サウジアラビア向けプロジェクトファイナンスの供与となります。
- 本プロジェクトは、住友化学(株)と世界最大の石油会社であるサウジアラビア王国法人Saudi Arabian Oil Company(サウジアラムコ)*2の折半出資により設立されたペトロ・ラービグ社が、サウジアラムコ所有の既存製油所を取得・改修し、ガソリン等の石油精製品を生産するとともに、石油化学プラントを新設しポリエチレンをはじめとする石油化学製品*3を生産するものです。
- 日本にとって、サウジアラビアは主要な原油輸入相手国であり、原油輸入の4分の1強を同国からの輸入に依存しています。日本の公的機関たる当行が、同国国営石油会社であるサウジアラムコと日本企業との合弁事業である本プロジェクトを支援することは、同国が国策として推進する石油化学産業の多角化とこれに伴う同国の雇用創出・外貨獲得を促進し、相互理解に基づく日本と同国との関係の一層の深化に資するものです。
- また、日本で培ってきた技術・ノウハウを提供し、原料立地によりコスト競争力とスケールメリットを活かして収益性を高めようとする日本の総合化学産業の国際展開を当行が支援することは、原油市況の大幅な上昇が続くなかで、日本の化学産業の国際競争力確保に貢献するものと期待されます。
- さらに、本プロジェクトに対し日本の公的金融機関である当行が融資を行うことについては、サウジアラビア政府・政府機関との交渉力やポリティカルリスク等の発現抑止機能を発揮するものとして、日本の民間金融機関と住友化学(株)から大きな期待が寄せられています。当行は、今後も日本の公的金融機関としての地位を活用した案件組成の円滑化及びリスクテーク機能などを通じて、日本の資源確保・国際競争力確保に貢献していく方針です。
- *1プロジェクトファイナンスとは、主にプロジェクトのキャッシュフローを担保とする融資スキーム。
- *2サウジアラビア王国政府が100%出資する原油確認埋蔵量及び生産量共に世界第1位の石油会社。
- *3エチレン(年産130万トン)、プロピレン(年産90万トン)を生産し、誘導品としてポリエチレン(年産90万トン)、ポリプロピレン(年産70万トン)、エチレングリコール(年産60万トン)等の石油化学製品を生産する予定。