- 地域: 中南米
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2005年5月27日
- 国際協力銀行(総裁:篠沢 恭助)は、本日、ブラジル連邦共和国政府・政府機関・資源関連企業との間で、貸付契約を1件調印すると共に、業務協力協定及び覚書等を4件それぞれ締結します。これらの文書は、ブラジルのルーラ大統領来日の機会を捉えて開催されている「ブラジル大統領訪日経済/通商イベント」(場所:ホテルオークラ東京)にて、各機関の代表者と当行篠沢総裁との間で各々署名の上、取り交わされます。
(1)貸付契約
ブラジル国立経済社会開発銀行向けインフラ整備・輸出振興ツー・ステップ・ローン(事業開発等金融*1)
調印者:フルラン開発商工大臣
借入人:ブラジル国立経済社会開発銀行
同国の経済社会開発に関する実施機関であるブラジル国立経済社会開発銀行との間で、当行は民間金融機関6行(幹事行:東京三菱銀行)と共に、総額5億ドルの融資契約に調印します。本融資は、同行を通じて融資される、インフラ整備事業及び日系企業を含む輸出企業の設備投資資金等を対象としており、現地日系企業の事業環境整備、同国の日本向け資源等の輸出拡大等を目的としています。
(2)業務協力協定及び覚書等
ブラジル科学技術省とのクリーン開発メカニズム(CDM)に関する取極め
調印者:カナブラヴァ大使
同国のCDMプロジェクト承認機関である科学技術省との間で、CDMプロジェクトへの取り組み推進及びそれらのプロジェクトから創出される排出権の日本企業による円滑な獲得支援のための取極めを締結します。
ブラジル石油公社との戦略的パートナーシップに関する業務協力協定及びREVAP(ヘバッピ)製油所近代化プロジェクトに関する覚書
調印者:ドゥトラ総裁他
同国のエネルギー政策の中核を担うブラジル石油公社との間で、双方の更なる関係強化を通じた、日本の安定的な資源エネルギー確保を目的として、業務協力協定を締結します。また、同国南部に位置し、同国有数の規模を誇るREVAP製油所近代化プロジェクト向けの当行融資につき、今後具体的な検討を進めることを確認した覚書をブラジル石油公社、三井物産、伊藤忠商事、三井住友銀行、日本貿易保険との間で締結します。
リオドセ社の輸送網改修・増強プロジェクトに関する覚書
調印者:アニェリ社長
世界最大の鉄鉱石供給会社であり、日本が海外から購入する鉄鉱石の約2割の調達先であるリオドセ社との間で、鉄鉱石供給能力拡大を目的とした、輸送網(鉄道及び港湾)の改修・増強プロジェクトの検討を進める上での関係強化を目的とした覚書を締結します。
- 5月26日に行われた小泉首相とルーラ大統領の首脳会談後、「日伯経済活性化のための共同プログラム」が発表されました。同プログラムの中では、両国の貿易及び投資の促進、エネルギー・資源分野における協力の増進、南米におけるインフラ整備への協力の発展等が謳われています。また、同時に発表された「国際問題における日本国とブラジル連邦共和国の協力に関する共同声明」の中では、同国の環境保全についての両国の協力が謳われています。かかるプログラム等に基づいた具体的な協力の一環として、当行は上記5件の文書を取り交わします。
- ブラジルは、エネルギー、農産物資源を豊富に有し、南米最大の経済規模を誇り市場として注目を浴びる一方、CDMを始めとする環境プロジェクトの潜在性も高く、エネルギー・資源分野を中心に日本企業の事業活動も活発化しています。対外経済政策・経済協力を一元的に担う政府系金融機関として、当行は引き続き、その金融ツールを複合的に活用し、同国のインフラ整備や輸出振興、エネルギー関連プロジェクト等に対する協力を通じ、同国の持続的な経済成長を支援する方針です。
- *1 事業開発等金融:開発途上国等による事業及び当該国の輸入に必要な資金、もしくは当該国の国際収支の均衡もしくは通貨の安定を図るために必要な資金を供与します。(日本企業から資機材の購入を条件としません。)