- 地域: 大洋州
- 資源
- 投資金融
2008年6月25日
- 国際協力銀行(総裁:田波耕治)は、24日、豪州西オーストラリア州におけるプルートLNGプロジェクトについて、豪州最大の石油・ガス開発企業であるWoodside Petroleum Limited(以下「Woodside」といいます。)の金融子会社であるWoodside Finance Limitedとの間で、10億米ドルを限度とする融資契約に調印しました。本件は、民間金融機関との協調融資であり、民間金融機関8行によるシンジケート銀行団(幹事行:(株)三菱東京UFJ銀行)は、同子会社との間で、総額5億米ドル限度の融資契約に調印しました。
- 本プロジェクトは、Woodside、関西電力(株)及び東京ガス(株)が共同で、西オーストラリア州カラサ沖合のプルート及びゼナガス田を開発し、原料ガスを海底パイプラインにてバラップ半島に建設する液化プラントまで搬送のうえ、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)を生産・販売するプロジェクトです。本融資は、ガス田の開発、パイプライン、液化プラント、積出港の建設等に必要な資金に充てられ、本プロジェクトで生産されるLNG(年産430万トン)の約9割を、関西電力及び東京ガスが15年間に亘る長期契約に基づき引き取る計画です。
- 新興経済国による需要の急速な拡大等によって世界のエネルギー需給見通しの不透明感が高まる中、地理的に比較的日本に近く、また、政治・経済の安定した豪州の資源国としての重要性は従来に増して高まっています。特に、天然ガスについては、日本最大の天然ガス輸入国であるインドネシアからの供給が今後大幅に減少することが見込まれており、日本向けの新たな大規模供給源となる本プロジェクトは、エネルギー安全保障の観点から日本にとって極めて重要な意義を有します。
- 本プロジェクトにおいて関西電力及び東京ガスは、Woodsideから開発権益を取得し、3社が共同して大規模な天然ガス開発を行うものであり、本融資は事業の円滑な実施を側面支援することで、日本の電力・ガス企業による資源開発ビジネスをサポートするものです。また、Woodsideは、西豪州LNGプロジェクト*1の事業実施者として20年以上に亘って、年間1,000万トン規模のLNGを日本へ供給するなど、日本のエネルギー資源の安定確保にとって非常に重要な役割を担う企業です。本プロジェクトを通じてWoodsideとの関係を強化することにより、エネルギー資源の更なる安定調達に寄与していくことが期待されます。
- 当行は引き続き、様々な金融手法を活用しながら、日本にとって重要な豪州における資源開発プロジェクトの積極的な支援を通じ、日本のエネルギー安全保障に貢献していく所存です。
- *1 当行(旧日本輸出銀行)が初のプロジェクト・ファイナンス案件として支援した世界最大級の天然ガス・石油開発プロジェクト。Woodsideが、国際石油開発企業5社(MIMI(三井物産・三菱商事)、BHPビリトン、BP、シェブロン、シェル)と共に事業を実施しており、1989年の生産開始以来、生産されるLNGの大半が日本に向けて輸出され、現在、日本の年間LNG輸入量の約16%が西豪州LNGプロジェクトにより賄われている。