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2008年11月21日
- 国際協力銀行(JBIC、経営責任者:渡辺 博史)*1 は、本日、ベトナム社会主義共和国法人Vietracimex Lao Cai Electric Joint Stock Companyとの間で、同国政府による保証の下、総額110億円を限度とする事業開発等金融の貸付契約に調印しました。本融資は、民間金融機関(三井住友銀行(幹事行))との協調融資であり、民間金融機関の融資部分に対しては、JBICが保証を行います。また、本融資はJBICが同国向けに行う初の事業開発等金融です。
- 本融資は、ベトナム北部ラオカイ省において、60MW(30MW×2)の流れ込み式水力発電所を建設・運営するための資金として使用されます。本プロジェクトはクリーン開発メカニズム(CDM)*2 候補プロジェクトであり、日本企業が排出権の購入を予定しております。
- 京都議定書に規定されている温室効果ガス削減目標(1990年比マイナス6%)を日本が達成するためには、国内の各種施策を通じた削減努力に加え、CDMを含む京都メカニズム*3 の活用が不可欠とされています。2005年4月28日に閣議決定された「京都議定書目標達成計画」(2006年7月11日一部改定、2008年3月28日全部改定)においても、排出権(京都メカニズムに基づくクレジット)の獲得のための公的資金の有効な活用が謳われています。
- 本件は、こうした背景のもと、日本の京都議定書の目標達成、並びに急速に成長するベトナムにおける温室効果ガス排出量の抑制を通じた地球規模での温暖化防止への貢献のため、同国におけるCDMプロジェクトの推進に寄与するものです。JBICは、引き続き、多様な融資スキームを活用し、低炭素社会実現に向けた日本企業による海外ビジネス展開の支援や、海外における気候変動問題解決への取組みに努めていきます。
- *1 国際協力銀行(JBIC)は、株式会社日本政策金融公庫(総裁:安居 祥策)の国際部門です。
- *2 クリーン開発メカニズム(CDM)は、京都メカニズムの手法の一つで、先進国と途上国が共同で温室効果ガス削減事業を実施し、その削減分を投資国(先進国)が自国の目標達成に利用できる制度です。
- *3 京都メカニズムは、京都議定書における日本を含む先進国および市場経済移行国の温室効果ガス削減目標を達成するための経済的手法であり、クリーン開発メカニズム(CDM)、共同実施(JI)及び国際排出量取引(ET)から成ります。