- 地域: 北米
- 資源
- 投資金融
2011年1月24日
- 国際協力銀行(JBIC、経営責任者:渡辺 博史)*1は、本日、三井物産株式会社及び三井石油開発株式会社が共同で設立したMitsui E&P USA LLC(略称:MEPUSA)との間で、総額7億米ドル限度の貸付契約に調印しました。
- 本融資は、MEPUSAが、米国法人Anadarko Petroleum Corporationより同国ペンシルベニア州マーセラス・シェールエリアにおけるシェールガス鉱区権益の15.5%を取得し、その開発に参画するために必要な資金を融資するもので、JBIC初のシェールガスプロジェクトに対する融資となります。
- シェールガスは根源岩*2内に貯留されている天然ガスで、非在来型ガスと呼ばれるものの一つです。従来、生産性が低く商業化が困難とされてきましたが、水平井掘削や水圧破砕といった技術の進歩を受け、低コスト生産が可能となり、米国において急速に開発が進んでいます。同国では天然ガス供給の10%以上がシェールガスによって賄われているとされ、オイルメジャーのみならず、新興国企業も積極的にシェールガス事業に参画しています。
- 三井物産及び三井石油開発がMEPUSAを通じて巨大かつガス販売の自由度が高い米国ガスマーケットにおいてガス権益を確保することは、ガス供給源の多様化やガスマーケットにおけるこれら企業の需給調整機能の強化につながるほか、米国における非在来型ガス開発の促進を通じてアジアLNG市場の需給緩和や日本のLNG需要家にとって安定的な市場の形成に貢献します。またシェールガスは世界中に膨大な埋蔵量があるとされていることから、日本企業がシェールガス開発のノウハウや経験を得ることにより、アジアを含む他地域でのシェールガス事業参画機会の拡大にもつながります。
- 本融資は、近年新たな天然ガス供給源と期待されているシェールガス権益取得を金融面から支援し、日本のエネルギー資源の確保や安定供給に寄与するものです。JBICは、今後も、日本企業の原油・天然ガス権益獲得を積極的に支援し、日本のエネルギー安全保障に貢献していきます。