- 地域: アジア
- 資源
- 投資金融
2011年7月5日
- 国際協力銀行(JBIC、経営責任者:渡辺 博史)*1は、本日、住友金属鉱山株式会社(以下「住友金属鉱山」)、MBAPR Holdings Corporation(三井物産株式会社の100%出資子会社)、フィリピン共和国(以下「同国」)法人Nickel Asia Corporationが出資する同国法人Taganito HPAL Nickel Corporation(以下「THPAL」)との間で、総額750,166千米ドル限度の貸付契約に調印しました。本融資においてはJBICがポリティカルリスクを負担しており、日本企業の海外進出に伴う現地リスクを軽減する役割を果たしています。
- 本件は、THPALが同国タガニート地区においてニッケル製錬の中間製品であるニッケル・コバルト混合硫化物(Mixed Sulfide、以下「MS」)を生産するために必要となる資金を融資するものです。本プロジェクトは、住友金属鉱山が世界に先駆けて本格的な商業生産に成功したHPAL法(高圧硫酸浸出法)を用いて、低品位ニッケル酸化鉱からMSを生産するもので、住友金属鉱山はMS全量(年間5万トン)を国内に引き取り、愛媛県新居浜市のニッケル製錬工場においてニッケル地金・コバルト地金を生産します。
- ニッケルはステンレス鋼及び各種電子材料(半導体用合金・電池等)などの原材料として、コバルトはリチウムイオン電池の正極材や航空機等に用いられる特殊鋼の原材料として幅広い産業で使用されていますが、日本は原料となる鉱石等の全量を輸入に依存しています。世界的な電子材料や特殊鋼の需要拡大を受けて、レアメタル確保の必要性が高まる中、本融資はその材料であるMSの生産を金融面から支援し、ニッケル及びコバルトの長期安定的な確保に寄与するものです。
- JBICは、今後も、様々な金融手法を活用した案件組成やリスクテイク機能等を通じて、重要資源の開発・取得の促進を金融面から支援する方針です。
注釈