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英国都市間高速鉄道計画向け貸付契約の調印
JBICとして初の鉄道セクター向けプロジェクトファイナンス

  • 地域: ヨーロッパ
  • インフラ
  • 投資金融
  • プロジェクトファイナンス
報道発表/2012‐27
2012年7月25日
  1. 株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:奥田 碩)は、24日、株式会社日立製作所(以下「日立」)が出資する英国法人アジリティ・トレインズ・ウェスト社(Agility Trains West Limited、以下「ATWL」)との間で、英国都市間高速鉄道計画(Great Western Main Line)を対象として、融資金額約10億ポンド(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社みずほコーポレート銀行、株式会社三井住友銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、三井住友信託銀行株式会社、ロイズ銀行、香港上海銀行の民間金融機関及び欧州投資銀行(EIB)との協調融資(協調融資総額約22億ポンド)であり、民間金融機関融資分の一部に対しては、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)による海外事業貸付保険が付保されます。本件は英国政府の最重要プロジェクトの一つであり、同国初の「車両リース及び保守サービス提供に係るPPPプロジェクト(Rolling Stock PPP)」*2となります。
     
  2. 本プロジェクトは、日立が世界的に公共インフラ投資等を手掛ける英国法人John Laing Investments Limitedと共に設立したATWLが、日立製車両約369両の調達及び当該車両保守のため車両基地の整備を行い、Great Western Main Lineの鉄道運行事業者に対し、約30年間に亘り、当該車両をリースすると共に保守サービスを提供するものです。今回、Great Western Main Lineを走行する老朽化した高速鉄道車両の更新が行なわれること等を通じ、同国における鉄道インフラ・サービスの長期安定的な提供に大きく貢献することが期待されます。なお、日立は本プロジェクトを契機に、新たに英国に鉄道車両の生産・組立拠点も設立する予定です。
     
  3. 本件は、車両や部品の供給にとどまらず、日立が事業者として出資参画し、長期に亘り車両リース及び保守サービスを提供するものであり、日本政府が進める新成長戦略及びパッケージ型インフラ海外展開にも合致する案件です。また、本件は、JBICが本年4月に英国貿易投資総省との間で締結したインフラ分野における投資促進を目的とした業務協力協定*3の趣旨にも沿うものであり、日本と英国との経済関係強化に寄与することも期待されます。こうした背景の下、本件は鉄道事業ということで、投資回収期間も長く、収入も現地通貨建となるところ、JBICは今回、ポンド建の長期資金を融資することとしたものです。
     
  4. 英国では、今後も車両更新需要の拡大が見込まれ、日本企業にとってのビジネス機会の創出が期待されているところ、JBICは今後も多様な金融ツールを活かした案件組成やリスクテイク機能を通じ、日本企業による海外インフラ事業展開に貢献し、日本の産業の国際競争力の維持・向上を金融面から支援していく所存です。
注釈
  1. *1 プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュ・フローに限定し、プロジェクトの現地資産等のみを担保として徴求する融資スキームのことです。
  2. *2 PPP (Public Private Partnership:官民パートナーシップ)とは、公共サービスの効率的な提供を目的として、行政と民間が協力して公共サービスを運営することであり、Rolling Stock PPPとは、そのうち車両リース及び保守サービス提供をPPP形態で行うものです。
  3. *3 2012年4月10日付プレスリリースをご参照下さい。
  4.  

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