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2012年10月9日
- 株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:奥田 碩)は、5日、トルコ共和国法人Turkiye Is Bankasi A.S.(総資産規模でトルコ第1位の民間金融機関、以下「イシュバンク」)との間で、融資金額60百万米ドル相当(JBIC分)を限度とする再生可能エネルギー及び気候変動緩和セクター(以下「再生可能エネルギー等」)を対象とした輸出クレジットライン*1設定のための一般協定を締結しました。本クレジットラインは、民間金融機関との協調融資によるもので*2、協調融資総額は100百万米ドル相当であり、トルコ向けの初の再生可能エネルギー等関連機器の日本からの輸出支援に特化したものです。
- 本件は、トルコの地場企業が日本から再生可能エネルギー関連機器(地熱発電、風力発電、バイオマス発電、太陽光・太陽熱発電関連等)及び気候変動緩和セクター関連機器(CCS*3設備を有した火力発電プラント、CCS事業、廃棄物エネルギー、ハイブリット発電*4プラント、コジェネレーション事業、地域冷暖房関連等)を購入するためのクレジットライン(融資枠)をイシュバンクに設定し、同行を通じて円又は米ドル建の中長期資金を融資するものであり、日本からトルコへの輸出拡大を金融面から支援するものです。
- トルコ政府は、環境政策の一環として、再生可能エネルギー発電の普及促進に取組んでおり、2023年には総電力量に占める再生可能エネルギーの割合を30%にする目標を掲げています。また、気候変動緩和に資する既設発電所の設備更新や近代化等にも取組んでいます。本融資は日本企業による再生可能エネルギー等関連機器のトルコ向け輸出を支援し、日本の産業の国際競争力の維持・向上に寄与するものです。
- JBICとイシュバンクは、従来から本邦造船所建造船舶の輸出支援のためのバンクローン等を通じて、緊密な協力関係を築いてきました。今後もJBICは、こうした海外の地場金融機関とも連携しつつ、様々な金融手法を活用した案件組成やリスクテイク機能等を通じて、再生可能エネルギー等を含む日本企業のトルコ向けビジネスの拡大を金融面から支援していく所存です。
注釈
- *1 輸出クレジットラインは、輸出金融の一形態であり、日本からの設備等の輸出を促進するため、あらかじめ一定金額の融資枠を設けておくものです。
- *2 民間金融機関の融資部分に対しては、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)が貿易代金貸付保険を付保します。
- *3 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)とは、温室効果ガスとなる二酸化炭素を分離・回収し、深海や地中に貯留する技術です。
- *4 ハイブリッド(複合)発電とは、再生可能エネルギーと化石燃料の両熱源を複合的に活用する発電形態です。