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2014年3月31日
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、28日、「海外展開支援融資ファシリティ」*1の一環として、伊藤忠商事株式会社、九州電力株式会社等が出資するケイマン諸島法人Sarulla Operations LTD(以下「SOL」)等との間で、インドネシア共和国(以下「インドネシア」)サルーラ地熱発電所プロジェクトを対象として、融資金額492百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*2による貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社みずほ銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、ソシエテ ジェネラル銀行東京支店、アイエヌジーバンクエヌ・ヴイ東京支店及びナショナル オーストラリア銀行東京支店の各民間金融機関並びにアジア開発銀行との協調融資です。協調融資総額は約1,170百万米ドルです。民間金融機関の融資部分に対しては、JBICがポリティカル・リスクに関する保証を提供します。
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本プロジェクトは、SOLが、インドネシア共和国北スマトラ州サルーラ地区において、発電容量320.8MW(3系列)の地熱発電所を建設・操業し、30年間に亘りインドネシア国営電力公社(PT PLN (Persero))に対して売電する事業です。
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インドネシアでは、今後10年間で年率8.5%の電力需要の増大が予想されています。本件は、日本企業が出資者として事業参画し、日本の技術を用いて長期に亘り運営・管理に携わる地熱発電プロジェクトであり、JBICが地熱発電向けにプロジェクトファイナンスを供与する初めての事例となります。本融資は、日本企業の海外インフラ事業への参画を金融面から支援し、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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また、現時点で世界有数の規模の地熱発電プロジェクトである本件は地球温暖化対策としても極めて有効であり、わが国政府が表明した「攻めの地球温暖化外交戦略」(2013年11月15日発表)にも合致するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能を通じ、日本企業による海外インフラ事業展開に貢献し、日本の産業の国際競争力の維持・向上を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 2013年4月1日付お知らせをご参照ください。
- *2 プロジェクトファイナンスとは、主にプロジェクトのキャッシュフローを担保とする融資スキームのことです。