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2015年12月14日
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、11日、アイスランド共和国(以下「アイスランド」)最大の国営電力公社であるLandsvirkjun(以下「LV」)との間で、融資金額約34百万米ドル(JBIC分)を限度とするバイヤーズ・クレジット(輸出金融)の貸付契約を締結しました。本融資は、シティバンク銀行株式会社(幹事行)、株式会社横浜銀行及びコメルツ銀行東京支店との協調融資によるもので、協調融資総額は約68百万米ドルです。なお、民間金融機関の融資部分には、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)の保険が付保されます。
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本融資は、LVがアイスランド北東部のフィスタレイキャ地区において地熱発電所(設備容量90MW)を新設するにあたって、富士電機株式会社等から地熱発電関連機器等を購入するための資金を融資するものであり、JBICがアイスランドの企業に融資を行うのは本件が初となります。
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本融資は、日本政府が推進する「質の高いインフラ投資」の一事例として紹介されるなど、再生可能エネルギー分野における日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また、本プロジェクトを皮切りに、水力・地熱・風力の発電設備及び送電網を持ち、アイスランド全体の発電量の約70%を担うLVと日本企業との間で電力インフラ分野における様々な連携が一層深まることが期待されます。
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アイスランドは豊富な再生可能エネルギー資源を活かして、国内電力のほぼ全てを再生可能エネルギーで供給しています。また、競争力のあるコストで電力供給を行うことができる利点を活かして、アルミニウム精錬業等の電力集約産業の外資を積極的に誘致しており、これらが同国の基幹産業となっています。気候変動問題を踏まえ、温室効果ガス削減への取組が国際的に求められる中、LVは今後も地熱発電所の新設を予定しています。こうした中、地熱発電用タービンの世界シェアの約7割を有し、高い技術力を誇る日本企業のビジネス機会が拡大することが期待されます。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、多様な金融ツールを活かした案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業によるアイスランド向けをはじめとしたインフラ関連設備等の輸出や現地での事業への参画機会の拡大を金融面から支援していきます。