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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:近藤 章)は、6月30日、「海外展開支援融資ファシリティ」*1 の一環として、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社三井住友銀行及び株式会社みずほ銀行の各民間金融機関との間で、KISCO株式会社(以下「KISCO」)がアメリカ合衆国(以下「米国」)法人Coatings Holding, Inc. (以下「CHI社」)を通じ、CHI社の中核事業会社である米国法人Specialty Coating Systems, Inc.(以下「SCS社」)を買収するために必要な資金の一部に係る貸付契約を締結しました。
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本件は、JBICが各民間金融機関との間で締結済のM&Aクレジットライン設定のための一般協定に基づき、各民間金融機関を通じて融資を行うものです。
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SCS社は、北米中心に世界11 拠点にて、医療機器、自動車、防衛・航空宇宙産業等向けに高品質のパリレンコーティング*2 サービスを提供しています。一方、KISCOは、パリレンコーティングに用いられる材料の自社製造を強みに、主に電子部品・基板や化学薬品向けのパリレンコーティング事業をアジアを中心に展開しています。KISCOは、本買収により、SCS社の有する医療機器、自動車、防衛・航空宇宙産業等向けのパリレンコーティング技術及びノウハウを取得することに加えて、北米等における販路・顧客網の拡大が可能となり、高水準のパリレンコーティング事業をグローバルに提供する体制の構築強化を企図しています。
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本融資は、日本の中堅・中小企業による海外でのM&Aに必要な長期外貨資金を本邦金融機関と連携して機動的に供給することで、中堅・中小企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、中堅・中小企業を含む日本企業による海外M&Aへの支援を行っていきます。
注釈
- *1 海外展開支援融資ファシリティの実施期限は2016年6月30日まででしたが、2016年7月1日から2018年の6月30日までの時限措置として同ファシリティの更新が行われています。本貸付契約は更新前の同ファシリティに基づく案件です。なお、同ファシリティの更新については2016年6月21日付お知らせをご参照ください。
- *2 パリレンコーティングとは、パラキシリレン樹脂コーティングの総称で、薄膜(1~50um程度)を対象物全体にわたり均一に形成するコーティング手法です。形成されたコーティング膜は、高い絶縁性や防湿性、耐薬品性等優れた特性をもち、医療分野でも使用されるなど、信頼性に優れています。