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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、27日(サンパウロ時間)、ブラジル連邦共和国(以下「ブラジル」)法人VLI Multimodal S.A.(以下「VLI Multimodal」)との間で、融資金額(JBIC分)30百万米ドルを限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、Banco Mizuho do Brasil S.A.(ブラジルみずほ銀行)との協調融資によるもので、協調融資総額は約50百万米ドル相当です。
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三井物産株式会社(以下「三井物産」)は、これまでブラジルにおいて水力発電事業、旅客鉄道事業、食品事業等、多岐に亘ってブラジルの経済発展に資する取組みを行っています。本件は、三井物産がブラジル法人Vale S.A.(以下「Vale」)等と共に出資するブラジル法人VLI S.A.(以下「VLI」)が行う、ブラジル国内における貨物輸送事業に対するものであり、融資資金は、VLIがその子会社であるVLI Multimodalを通じて行う既往貨物鉄道路線における設備の更新に充てられます。
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ブラジルでは、トラック輸送への依存度の高さによる渋滞の発生や高い物流コストが課題となっており、鉄道輸送網の拡充は、穀物や肥料、製鉄原料や鉄鋼製品等の一般貨物の輸送において、重要な役割を担っております。本件は、VLIが事業権を有する貨物鉄道路線の整備を通じ、その輸送能力向上を支援するものであり、日本企業の物流インフラ事業の国際競争力の維持・向上に貢献するとともに、ブラジルにおける物流コストの改善にも繋がるものです。
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また、VLIの最大出資者であるValeは、良質な鉄鉱石、ニッケル、コバルト等の鉱物資源の世界有数のサプライヤーとして長年に亘り日本企業と良好な関係を構築しています。今後も、ブラジル及び第三国における鉱山開発等の分野において、日本企業がValeと協業する機会が拡大・多様化していくことが期待されます。JBICは本融資を通じ、Valeとの関係強化を図り、日本企業による鉱物資源の確保及び日本企業による投資・輸出機会の創出にも寄与することが期待されます。
- JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外インフラ事業展開を金融面から支援していきます。