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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、30日、三井海洋開発株式会社(以下「MODEC」)が三井物産株式会社、株式会社商船三井及び丸紅株式会社と共に出資するオランダ王国法人Buzios5 MV32 B.V.(以下「BMV32」)との間で、融資金額491百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、ブラジル連邦共和国(以下「ブラジル」)の国営石油会社Petróleo Brasileiro S.A.(以下「ペトロブラス」)等が権益を有するブラジル沖合Buzios鉱区*2開発のためのペトロブラス向けFPSO*3長期傭船サービス事業を対象としています。本融資は、「成長投資ファシリティ*4」を活用し、株式会社三菱UFJ銀行(幹事行)、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行、ING Bank N.V.、Société Générale、Citi Bank, N.A.、Clifford Capital Pte. Ltd.、Standard Chartered Bank、BNP Paribasとの協調融資により実施するものであり、協調融資総額は1,350百万米ドルです。民間金融機関の融資の一部に対し、株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付されます。
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本プロジェクトは、MODECがFPSO1基(生産能力:原油15万バーレル/日、ガス212百万立方フィート/日、原油貯蔵能力140万バーレル)を建造し、BMV32が21年間に亘り、ペトロブラスに対して傭船サービス(リース及び運転・保守点検等)を提供するものです。
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近年、各国石油会社が海底油田の開発を積極的に進める中、南米(主にブラジル)、西アフリカ地域を中心に新規FPSO需要の拡大が見込まれており、ブラジルにおいてはペトロブラスが、多数の海底油田開発を手掛けています。MODECはブラジルをFPSO事業の最重要マーケットと位置付けており、本プロジェクトはMODECが関与する12隻目のペトロブラス向けFPSO傭船事業になります。
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本プロジェクトを通じ、日本の海洋エネルギー事業者が、FPSOの傭船サービスを継続して提供し、その操業・保守に係る技術・経営ノウハウの向上を図ることは、日本企業の海洋資源開発分野における国際競争力の維持・向上に資するものです。また、日本政府の「海洋基本計画」*5において、日本近海における海洋資源開発・商業化に向けた技術開発等が謳われている中、本プロジェクトにおけるMODEC等の取り組みは、日本近海における海洋資源開発を含めた日本の資源の確保及び安定供給に、間接的・将来的に寄与することも期待されます。
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JBICは、日本の公的金融機関として、日本の海洋産業の国際競争力の維持・向上及び重要資源の開発・取得の促進を念頭に、今後も海洋資源開発の活発なブラジルやアフリカ地域を含む海外における日本企業の事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
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